「#政治家はネットのエロ広告規制に動いてください」。最近Twitterに浮上したこのハッシュタグ。スマホやネットを触っていると、飛び込んでくる卑猥な広告に規制を求める声があがっている。勝手に表示されてしまうことに加え、タブレットで勉強する学校が増える中、「子どもも見てしまう」と多くの人が不快感を訴えている。
一方で、「エロ広告を取り締まるのは表現の弾圧ですよ!」「需要があるから広告があるわけで、排除はおかしい」「てか、規制して効果ある?」という声も。
果たして、規制は必要なのか。『ABEMA Prime』では、実際にエロ広告を含むアフィリエイトで収入を得ている男性に話を聞いた。
ブログ執筆で月に平均約80万円を得ている、アダルトアフィリエイターの大田タオ氏。ブログ内の広告枠で収益化し、アダルト系ブログに「エロ広告」プラン、一般的なブログには「一般の広告」プランを導入。どんな広告が掲出されるかは代理店任せだそうだが、収入の割合はエロと一般で半々だという。
「広告はクリック型と成果型という2種類がある。成果型はページ内で紹介している商品を購入してもらったら、その数%が入ってくるもの。クリック型のほうは、広告代理店側が広告タグというのを用意していて、それをいただいて直接サイトに貼り付ける。後者は何が表示されているのかわからない状態。クリック率は圧倒的にエロが高い」
大田氏自身はサイトを使い分ける配慮をしているが、そうした広告の規制についてはどう思うのか。「規制はよくないと思う。そもそもどこをどう線引きをするのかが現実的に難しいのでは」とした上で、「問題があるのは、一般用のサイトにエロ要素が含まれた広告が表示されてしまうことだと思う。こちらでコントロールのしようがないので、規制以外のかたちでは対応が必要だと思う。やはり一般サイトを見ている時にエロ広告が出てきたら良い気分はしないので」と答えた。
さらに、規制された場合の収入への影響を聞かれると、「若干落ちるぐらいで、大きくは変わらないと思う」との見方を示した。
ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「Googleでマイアドセンターという設定画面を開くと、表示する広告のジャンルを選べる仕組みはある。また、AdBlockという広告をブロックする拡張機能をChromeブラウザに入れることができ、他社が作っているものではあるのだが、Googleは禁止していない。なぜかというと、“はなから広告を見る気がない人たちに無理に見せても効果はあまりない”というロジックだ。世の中には、広告を見たい人から見たくない人までグラデーションがある中で、“見てもいいよ”という人たちの売上でビジネスが成立している。これを変えるのは現状では難しいので、Googleやヤフーがやっているような広告表示を設定できる画面を用意する、そしてそれを喚起するのが、業界全体の取り組みとして健全だと思う」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
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