“学生の官僚離れ”に山口真由氏「『残業を減らせ』とあまりに言うと若手の誇りを折っていく」 橋下徹氏「日程を決めるところから国会改革を」
【映像】橋下徹×山口真由 日本は“連れ去り大国”?/激務は絶対悪?働き方改革への違和感
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 元財務官僚で信州大学特任教授の山口真由氏が、5日のABEMANewsBAR橋下』に出演。学生の官僚離れについて、橋下徹氏と議論を交わした。

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 2023年度春の国家公務員総合職試験の申込者数は1万4372人で、今の試験制度になってから2番目に少なく、倍率は過去最低だった。「ブラック霞が関」と言われる過酷な労働環境が一因とも言われている。

 山口氏は「霞が関でもどこでも、若い頃はそれなりに忙しい」とした上で、「働き方改革で『税金の無駄だ。だから残業を減らせ』とあまりに言うのは、若手官僚の誇りを折っていく気がする。昔は、長時間労働の中でもそれなりに教えてもらったり、学んだりする機会があったが、今はあまりに短い期間で詰め込んでやろうとしている」と指摘。

 続けて、「例えばスタートアップでは四六時中働いているような人がいるのに、なぜ官僚だとブラックだと言われるのか。私は人に負けたくないから一日19時間半勉強していたが、それを区切られたら厳しいと思う」と自身の経験を振り返る。

 橋下氏が「“自分のためになっている”と思えるならいいと思うけど、国会議員に対する準備作業みたいな不合理な仕事があるだろう。そういうのはバサッと切って、そうではない官僚としての能力を上げていく仕事は働き方改革とは別なのではないか」との考えを示すと、山口氏は「同期に聞くと『仕事がつらいとか、給料が安いとは思わない』とみんな言うけど、『本質ではない仕事があまりに増えている』と。野党ヒアリング(※1)とかもあったけど、もっと違うことをやらせてあげたいと思う」と訴えた。
※1野党ヒアリング:野党議員が各省庁の担当者を呼び、政策について問いただす場として成果もあった一方、苛烈な追及が「官僚つるし上げ」と批判された

“学生の官僚離れ”に山口真由氏「『残業を減らせ』とあまりに言うと若手の誇りを折っていく」 橋下徹氏「日程を決めるところから国会改革を」
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 橋下氏は「イギリスみたいに、政治家は一部の幹部級の官僚としか折衝できないということにしないと。政治と行政がぐちゃぐちゃになっている」と指摘した上で、「今はだいぶ変わってきたらしいが、昔は(政治家の)観光やツアコンみたいなものが多くてひどかったようだ。官僚の人たちには思いっきり働いてもらいたいし、“これは俺のためになる”“国のためになる”という本当に燃える仕事であれば、彼らは時間をそこまで気にしないと思う」との考えを示した。

 国会対応に官僚が振り回される原因として「日程が決まらない」ことがある。山口氏は「野党からすると、やるべきことは日程闘争(※2)しかない。国会のシステムがいけない」と指摘する。
※2日程闘争:法案の審議を巡る与野党の駆け引きで国会の日程が決まらないことが、答弁案づくりを担当する官僚の負担を重くしていると指摘される

 橋下氏は「委員会を開くかどうかがその日にならないと決まらない。(メディアの)コメンテーターは『質問をもっと早く出せば官僚も用意できる』と言うが、野党としては早く出せるわけがない。そこを維新の会は、“野党第一党になれば国会改革をやる。まず日程を決める”と、自民党と話をつけると言っている」と説明。

 また、国会対応のために首相や閣僚が外遊できていない現状を指摘した上で、「国会に朝から晩まで、大臣なんか一問も質問がないのにへばりつけられている。首相なんかは年間200日くらい外国に行ったっていい。そういったところも国会改革で変えていかないといけないと思う」と話した。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)

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