プリゴジン氏
【映像】プリゴジン氏ジェット機墜落の瞬間
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 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創始者、プリゴジン氏が所有するプライベートジェット機が、モスクワ北西300kmのトベリ州で墜落し、乗員10人全員が死亡したと発表された。

【映像】プリゴジン氏ジェット機墜落の瞬間

 搭乗者名簿にはプリゴジン氏と右腕であるウトキン氏の名前もあり、米ホワイトハウスは28日、「先週ロシア国内で起きた墜落事故で死亡したと確信している」という認識を示した。プーチン大統領は、以下のようにコメントしている。

 「ワグネルのメンバーが乗っていたのなら、彼らがウクライナのネオナチ政権との戦いという、共通の大義に多大な貢献をしたと伝えたい。プリゴジンは90年代初めからの長い知り合いだ。複雑な人生を生き、深刻な間違いをいくつも犯した。しかし、たくさんの成果も上げた」(ロシア・プーチン大統領)

 この「哀悼の意」を、市民はどう受け止めているのか。ワグネル戦闘員は「どう言葉を選べばいいか分からない。我々は指揮官を失ってしまった」と話した。

プーチン大統領の政敵
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国際政治学者の舛添要一氏は、西側の脅威に対抗する「大ロシア」や「ロシア帝国」のためなら、プーチン氏は自国民の殺害もいとわず、それは「独裁者」スターリン氏の手法を模倣していると指摘する。

 実際、これまでもプーチン氏の政敵が、不審死や命の危険にさらされてきた。2006年には政権批判に転じた元ロシアのスパイ、アレクサンドル・リトビネンコ氏が、イギリスで放射性物質入りの緑茶を飲んで殺害された。同年には、政権批判したジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ氏も、自宅マンションのエレベーターで射殺されている。ほかにも、2015年に野党指導者のポリス・ネムツォフ氏がモスクワで暗殺、2020年にプーチン汚職を追及したブロガーのアレクセイ・ナワリヌイ氏が毒物で一時意識不明となった。

中央アフリカ政府長官とプリゴジン氏
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そもそもプリゴジン氏は、新興財閥「オリガルヒ」の一角として、プーチン氏と深い仲、かつ「汚れ役」を担ってきた。ワグネル進軍による反乱後の2023年7月末、SNSにプリゴジン氏と見られる人物と、中央アフリカの政府高官が握手する写真が投稿された。実はプリゴジン氏とアフリカには、深い関係があった。

 ワグネルは2017年ごろから、アフリカ諸国に約5000人の戦闘員を送り込み、現地政府との契約により軍事訓練や要人保護、反政府勢力の鎮圧などの治安維持に携わってきた。その見返りとしてワグネルは、ニジェールのウランや、ブルキナファソやマリでの金などの採掘権を得ていたとされる。マリ暫定政権から約290億円の支払いを得た、金の取引で約3900億円の収益を得た可能性がある、などの情報もある。

 では、もし今回の事故が「暗殺」であれば、なぜこのタイミングだったのだろう。舛添氏は、西アフリカの天然資源の利権をめぐって、プリゴジン氏を「泳がせていた」可能性を示す。

プーチン大統領とプリゴジン氏
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 投稿された動画では、アフリカの砂漠と思われる場所で、迷彩服のプリゴジン氏が「ワグネルは活動を続け、すべての大陸でロシアを偉大にし、アフリカを自由にしている」などと語っていた。これは反乱以来、約2カ月ぶりの動画投稿だったが、舛添氏はこれが「自分こそがロシアの英雄であるかのような発言が、プーチン大統領の逆鱗に触れた」として、引き金になったとみている。

 舛添氏は、事故の一報を聞いて、「予定通りやったな」との印象を抱いたといい、「あの落ち方を見たら、エンジントラブルではない」との認識を示した。墜落や炎上の映像が、即座に報じられた「手際の良さ」にも注目し、「爆弾を入れていた可能性がある」と分析する。

 過去の不審死を振り返って、舛添氏は「海外で殺すと現地警察にばれる。殺すのに最適なのはロシア」だとして、ベラルーシへ追放するとしながら、プリゴジン氏がロシア国内にいたのは「殺すのに一番適切な時間と場所を待っていただけ」と説明する。

 舛添氏の解説によると、プーチン氏は「裏切り」を一番嫌っているといい、ワグネルについても「もう、ほとんど終わっている」との見方を示す。では、今後のプーチン政権はどうなるのだろうか。

BRICSが勢力を拡大
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  舛添氏は、「今回の件でプーチンが弱くなった、というのは逆」むしろ、怖さを見せつけたのだと話す。

 また、「BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に、今度エジプトやエチオピア、アルゼンチン、イランなどが加わるわけです。合わせると結構な数になる」と指摘。「NATO(北大西洋条約機構)だけで日本人は見ているけど、世界中を見た時に(ロシアは)西側でない国と結束を取っていて、経済制裁逃れがどんどんやれている」

 そういった背景から「戦争は続けます。核兵器も持ってますから」と断言。さらに、この戦争は年を越え、終わる可能性があるとすれば、来年のアメリカ大統領選挙がポイントになると予測する。

 「トランプ(前大統領)が勝ったら終わります。トランプが勝ちそうな勢いが出てきている。アメリカがどうするかで決めるしかない」(舛添氏)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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