別府ひき逃げ事件

「大分県の恥、と言っていい」元東京都知事が憤り “別府ひき逃げ事件”で容疑者逃亡から1年、県警の初動捜査は適切だったのか

八田容疑者・ポスター
【映像】「くだらないことを言ってんじゃねえ」弁護士がキレた瞬間
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 大分県別府市で起きた「別府ひき逃げ事件」。

【映像】「くだらないことを言ってんじゃねえ」弁護士がキレた瞬間

 ひき逃げ死亡事件を起こし、1年以上逃亡を続けている八田與一(はった・よいち)容疑者(27)に対し、遺族が殺人罪での告訴を決めた。八田容疑者は、すでに道路交通法(救護義務違反)の疑いで全国指名手配されているが、警察庁は9月8日付けで、道交法違反で全国初となる「重要指名手配」に指定。この事件をめぐっては、大分県警の初動捜査について厳しい声が挙がっている。

事故現場
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 八田容疑者は2022年6月、大学生Aさんと同級生Bさんの乗った2台のバイクが赤信号で停車していたところに後ろから猛スピードで追突し、現場から逃走した疑いがある。バイクは交差点の反対側まで吹き飛ばされ、Aさんは死亡し、Bさんは負傷した。

 たまたま居合わせた医療従事者のKさんは「意識は私が声をかけた時からなくて。心肺蘇生は3人でやった」と当時の様子を話し、Aさんには「大丈夫。逝くなよ。生きろ」などと声をかけたと振り返る。

 八田容疑者は事件直後、裸足で逃げたとみられる。逃走中にぶつかったという飲食店店員は、「大学生とかに『うるせぇー!』とか言って、何にも謝りもせずに走っていた。裸足にしても、靴は持っていくだろう。酔っぱらっていたら全力疾走で走れない」と語る。

負傷した同級生Bさん
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 また、この事件でAさんとともに車ではねられ負傷した同級生のBさんは、事件発生の直前、Aさんが八田容疑者とショッピングセンターの通路ですれ違った際、一方的な言いがかりを付けられていた、と証言する。

 (Aさんに)「知り合い?みたいな感じで聞いたら、『いや全然知らない』」と、その時のAさんの言葉を口にする。
「『音楽を爆音で流してて、なんやこいつと思って見たら、ケンカふっかけられた。変なやつに』『俺は普通にすぐ謝ったけど、めんどくせぇし』みたいな」(負傷したBさん)

大分県警
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 また、事件をめぐっては、裸足で逃亡する八田容疑者を早急に検挙できなかったこと、逃走時に着ていたTシャツが、八田容疑者の最後の姿が捉えられた国道10号を渡ったすぐ先のヨットハーバーのかなり目立つ場所で事件2日後にもなって発見されたこと、その遺留品が約1年後に公開されたことなど、大分県警の初動捜査に対する疑問の声も挙がっている。別府警察署交通課の正成祐治課長は、遺留品公開にあたり「警察の初動ミスを認めたのか」と問われると「私が答える立場にない」とコメントを控えた。

 遺族は2023年7月、大分県警に対して、事件直後の捜査記録などの情報開示請求を行った。しかし送られてきた書類は、一面「黒塗り」だらけだった。内容はもとより、伏せられた理由も明らかにされていない。Aさんの父は、無念さを語る。

黒塗りの活動日誌
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 「最初から一生懸命、今のようにやっていただければ、もっと早く八田容疑者を逮捕できたと強く思う。警察を責めるつもりはないんですけど、責める場所がどこにもないので。喧嘩するつもりもないです」(Aさんの父親)

 取材には気丈に対応したAさんの父だったが、カメラを止めた後、泣き崩れる姿があった。「息子に会いたい」
八田容疑者に対しては、殺人罪での告訴に加え、負傷したBさん側も「殺人未遂罪」での告訴も同時に行うという。

亡くなったAさんの父親
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 これまでAさんの遺族らと向き合ってきた “リーゼント刑事”こと元徳島県警・警部 秋山博康氏は、殺人罪での告訴は「絶対に捕まえてほしいという遺族の警察に対する思い」だと語る。初めて遺族と会ったとき、秋山氏は2点の質問を受け、心を痛めたそうだ。

 「『大分県外の警察は、この事件や八田容疑者を知っていますか』、知らない。警察では見当たり捜査が効果的に使われます。『全国の警察官が八田容疑者の見当たり捜査をやっていますか』、この質問に対しても、やっていない」(秋山氏)

 道交法違反での指名手配では、全国の警察に事件が知れ渡らないという実情があるという。秋山氏によると現場の捜査員には「殺人・殺人未遂で行きたい」との意見もあったそうだ。

告訴の流れ
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 元東京都知事の舛添要一氏は、各地の県警本部長について「その県で大過なく2年くらい過ごすと次に出世する。ヘマをやっちゃうと、将来がなくなる」とその立場を説明したうえで、「なるべく波風立てずに」したいのではないかと推察した。また一方で、八田容疑者は「極めて凶悪」であることから、「凶悪犯を野放しにしておいて市民の安全は守れるのか。なんのための警察なのか」そして県知事は県警本部長に「大分県の恥だぞ」と言える立場であると強く指摘した。

 弁護士の清原博氏は、「彼ら(警察)にもメンツがありますから、なにかキッカケがないと、殺人容疑に逮捕状を切り替えることはなかなかできにくい」として、遺族らの告訴がよいきっかけになると見ている。とはいえ、告訴を受理しても、殺人容疑に切り替えるかは「警察の判断」だとも解説した。

 元徳島県警・警部 秋山氏は「時効のない殺人事件となれば、刑事部の捜査一課が中心になるので、捜査はどんどん進んでいくと思う。ぜひ殺人容疑に切り替えて欲しい」と期待を寄せた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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