大分県別府市で2022年6月に大学生が車にはねられて死亡したひき逃げ事件で、全国に指名手配されている八田與一(はった・よいち)容疑者を、警察庁は9月8日付で「重要指名手配」に指定した。
今月8日、警察庁は八田容疑者を殺人と同等の凶悪性があると判断し、道交法違反容疑では全国初となる「重要指名手配」に指定した。元埼玉県警捜査一課警部の佐々木成三氏によると、「重要指名手配」になると全国の警察官に顔写真と特徴が共有され、交番や商業施設、駅などに重要指名手配のポスターが貼られるという。佐々木氏は、事件発生から1年以上経ったいま、地元警察の捜査だけでは限界があるのではないかと分析する。
「世論がこの事件に関して大きく関心を持ち始めた。そのなかで捕まえられなければ威信にかかわるのだと、警察が位置付けしたことだと思いますね」(佐々木氏)
一方で、事件発生から1年以上が経過すると、ひき逃げ死亡事件の場合、容疑者の検挙率が激減する。国際弁護士の清原博氏によると、検挙率はわずか0.2パーセントだという。
また、重要指名手配犯のなかに道路交通法違反が1人だけという状況に、亡くなった大学生Aさんの父親は違和感を口にする。
「なんで道路交通法違反のまま重要指名手配でやるのか。何度も警察に問いましたけど、あくまでも道路交通法違反だとしか答えてくれない。これを機に殺人罪に切り替えてほしいという強い思いがあります」(Aさんの父親)
殺人罪であれば時効はないが、道交法違反の場合7年で時効になるため、事件から1年以上経った今残された時間は短い。県警によると、11月の指名手配被疑者捜査強化月間に合わせ、殺人も視野に入れて捜査を強化する方針だ。清原氏は、「殺人容疑であれば1年経過しても警察は捜査体制を強化しますので、結構検挙されているんです」と説明、「ぜひ年内のうちに八田容疑者を検挙してほしい」と思いを述べた。
道路交通法違反でありながら「重要指名手配」に指定されたことに対して「大きな前進」と話すのは、“リーゼント刑事”こと元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏だ。一方で、警察に対する評価は「八田容疑者を捕まえてなんぼ」と警鐘を鳴らす。
「重要指名手配になれば顔写真入りのポスターが全国の警察署などに貼られます。それにプラスして、顔、名前、罪名が記載された一覧表が全国の警察官全員に配布されるんです」と説明。
さらに、「今は日本一有名な指名手配者になっているので、全国の警察官が八田容疑者探しをすれば捕まる可能性が高いと思います」と期待を口にした。
この事件について、警察は情報提供を呼びかけている(別府警察署:0977-21-2131)ほか、番組X(旧Twitter)ABEMAニュース/@News_ABEMAのDMでも事件や容疑者に関する情報を求めている。また、目撃情報共有アプリ「みんなのチカラ -安心な社会や街をつくる」では、八田容疑者の専門ページが公開中。アプリを通じて、匿名で目撃情報を投稿できる。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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