解散命令請求に旧統一教会側が“猛反論” 鈴木エイト氏「本当に反省はしていない」 教団・本部は今後どうなる? 被害者救済の実現性は
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 2022年7月に起こった、安倍総理銃撃事件。これをきっかけに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)における「高額献金」「霊感商法」「政治家との関係」など、さまざまな問題が浮き彫りに。以降、被害者へのヒアリング、史上初となる質問権の行使で教団に組織運営や献金について報告を求め、実態の把握に努めてきた文部科学省。13日、旧統一教会に対する解散命令を東京地裁に請求し、受理された。

【映像】「私たちがモンスターのように」 旧統一教会側の“猛反論”

 教団はどうなるのか。被害者や宗教をアイデンティティとする2世信者などにはどのような対処が必要なのか。13日の『ABEMA Prime』で、長く教団を取材してきたジャーナリスト・作家の鈴木エイト氏とともに考えた。

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 鈴木氏は「ようやくここまできたかという感触と、国がどのように認定するかがはっきりした。本来であれば、もっと早い段階で規制をかけたり、解散命令を請求すべきだったと思う。ただ、その歪んだ構造を是正するような形で、国が1年かけて動いたということは大きい」とコメント。

 刑事事件が根拠ではない解散命令請求は今回が初。「オウム真理教と明覚寺は、幹部らが刑事罰を受けている。旧統一教会に関しては、民法上の不法行為を積み上げてやってきているので証拠も膨大になり、そこを裁判所がどう判断するか。盛山文科大臣の発言からも、かなり綿密にやっていることがうかがえる。解散命令が通る決定が出る確率が相当高いと思っている」との見方を示す。

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 旧統一教会側は「気がつくと私たちはマスコミ報道によって“絶対悪”のモンスターのようにされていました」「国から解散命令を受けるような教団ではないと確信しております」との見解を発表している。

 鈴木氏は「裁判例は減ったとしても、そこに至るまでに和解や交渉で解決する案件も相当あり、被害は継続してきたと見るほうが普通だ。教団が『改革を進めている』と言っても、非難を躱すためとか、間に合わせの部分がどうしても透けて見えてしまう。本当に反省をしていたら、解散命令請求が出た後に、敵対的なメディアのせいにするような声明を出すわけがない。そのあたりの欺まんがまだまだあると思う」とした。

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 では、現役信者へはどのような対処が必要なのだろうか。「何も悪いことをしていない信者・2世信者たちが、偏見の目を浴びたり、差別にあうのは決してあってはならないこと。この先、任意団体になったとしても、“国から解散命令請求を出された団体の信者”ということで、穿った目で見られるかもしれない。根本は人権をいかに守っていくかというところなので、そういう方たちへの目配りが一番重要だと思う」と述べた。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「信じてはならない宗教団体という話ではなく、あくまで税優遇といった特権が剥奪されるだけだ。オウム真理教もその後名前を変えて『Aleph(アレフ)』や『ひかりの輪』になっている。信者の人もそのままコミュニティ活動を続けられる」と述べた。

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 韓国教団本部は声明で、解散命令請求の決定について「深く遺憾の意を表明。公正に審査され、判断されることを願う。日本の信徒たちの幸せと社会的信頼を守れなかったことを非情に残念に思う。本部の立場として、道義的責任を実感している」、今後について「日本だけでなく、世界各国の家庭連合にといて、信徒とその家族の方々が疎外感や不幸を感じているのではないかと、改めて徹底的に検討。日本社会から信頼を得られる新しい教会文化をともに作っていく」としている。

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 鈴木氏は「韓国の教団本部はかなり財政難に陥っていて、分派との裁判闘争に敗れたことによって、1000億円ほどの負債を抱えていると言われている。そんな中で、日本から年間数百億円入っていた定期収入がなくなってきており、ジリ貧状態。危機感を抱いていると思う。日本の教団には1000億円近くプール金があると言われているので、それをどういうかたちで韓国に移動させるかというお金の動き、財産保全の部分は注目して見ていかないといけない。また、教団本部の『道義的な責任を感じる』という文面。日本の幹部、例えば会長を更迭するか辞任させ、謝罪会見なども開いて、表向きは反省の弁を述べて幕引きを図ろうとしているんじゃないかという情報もある。今後どういう人事が行われるかも要注目だ」と指摘した。

 ジャーナリストの岩田明子氏は「被害者補償のために財産保全をする方向性はいいと思う。ただ、解散が確定する前の段階で財産保全ができてしまうと、対立している宗教団体同士がお金目当てで、例えば、個人や弁護士でも解散請求はできるのではないか。そうした争いが起こらないように、精緻に議論を積み重ねる必要があると思う」とコメント。

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 鈴木氏は「確かに利害関係人も請求できるが、そのあたりはこれからの議論の中で、“こういうケースの時にはこうなる”というところを詰めていくべきだ。当然、特定の宗教団体だけを網にかける法律はできない。“海外に本部があって年間数百億円を送っているような団体”など、いろいろな枠組み・項目を作っていくことによって、相当な不法行為をしている反社会的な団体だけを規制するような法律にすることも可能だと思う」と述べた。

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 宗教法人解散が最高裁で確定するまで、明覚寺は約3年、オウム真理教は7カ月がかかっている。旧統一教会については「地裁の決定で1年ぐらい、そこからまた2カ月ぐらいで高裁、最高裁。高裁の決定の時点で精算人が選定されて確定はするので、1年と2~3カ月ぐらいが現実ではないか。もう少し早く、1年以内に決着する可能性もあると思っている」との見通しを示した。(『ABEMA Prime』より)

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