秋の行楽シーズンを迎えた今、旅行先としても注目を集める伊勢神宮(三重県伊勢市)。しかしその総面積は、東京ドーム約1200個分と広大で、どこをどの順番で巡るのが良いのか、悩む参拝者も多いはず。今回は、神様や神社に関する本を100冊以上読破し、研究をまとめた本も出版している“日本の神様博士ちゃん”こと佐々木秀斗くん(13)が考案した、ベスト参拝ルートを紹介する。
【映像】お伊勢参りのラストに行くべき豪華絢爛なお寺「金剛證寺」
10月28日(土)放送の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系、毎週土曜よる6時56分〜)では「今訪れたい!2大ご利益神社」と題し、出雲大社と伊勢神宮を特集。神社仏閣博士ちゃん・丸山裕加ちゃん(10)が出雲大社、日本の神様博士ちゃん・佐々木秀斗くん(13)が伊勢神宮をそれぞれ訪れ、おすすめの参拝ルートを案内する企画が展開された。
目次
- 1:二見興玉(ふたみおきたま)神社
- 2:伊勢神宮 外宮 御饌殿(みけでん)
- 3:伊勢神宮 外宮 正宮
- 4:宇治橋
- 5:伊勢神宮 内宮 五十鈴川(いすずがわ)
- 6:伊勢神宮 内宮 正宮
- 7:金剛證寺(こんごうしょうじ)
1:二見興玉(ふたみおきたま)神社
秀斗くんが提案する参拝ルートのスタート地点は、伊勢神宮から約8キロ離れた海沿いにある、二見興玉神社。ここは古くから伊勢参りの玄関口とされ、海で心身をキレイにしてからお参りに行くのが、かつての風習だったのだそう。
さらに秀斗くんによると、伊勢神宮へ行く前に、絶対に手にいれるべきアイテムがあるとのこと。それは、二見興玉神社に祀られている猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)が生まれた「興玉神石」付近で採れる海草のお守り「無垢塩草(むくしおくさ)」。本来ならお祓いを受けるのが一番良いが、お祓いを受けられない人はこの海草を受け取ると、お祓いをしたのと同じ効果を得られるのだという。
また、二見興玉神社には、高さ9メートルの「男岩」と高さ4メートルの「女岩」から成る「夫婦岩」があり、こちらも見どころのひとつ。夫婦円満や恋愛成就のご利益があるとされている。
2:伊勢神宮 外宮 御饌殿(みけでん)
二見興玉神社でご利益アイテムを手に入れたら、伊勢神宮の外宮へ。なお、伊勢神宮はひとつの神社の名称ではなく、外宮・内宮を合わせた125社のお宮とお社の総称。内宮、もしくは外宮だけを巡る参拝者もいるが、これは「片参り」と言われ、なるべく避けるべきとされている。外宮から先に祭典を行うため、参拝も外宮、内宮の順に訪れるのが習わしだ。
外宮の中心となるお宮・正宮に祀られているのは、食物の神様・豊受大御神(とようけのおおみかみ)。豊受大御神は、内宮に祀られている天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食事係をしている神様だ。
一般的には正宮に真っ直ぐ向かう参拝者が多いが、その前に秀斗くんが立ち寄ったのは、毎日朝と夕方の2回、神様に食事をお供えする神事が約1500年に渡って行われている、御饌殿という建物。気になる神様のメニューは、蒸したご飯、鰹節、塩、果物、野菜など。メニューは季節によって変更されるそうで、食材は伊勢神宮の自給自足。田植えや塩作りから行っているそうだ。
3:伊勢神宮 外宮 正宮
御饌殿を訪れた後は、豊受大御神を祀る伊勢神宮・外宮の中心、正宮を参拝。なお、一般の参拝者は、白いとばりの外からしか参拝できない。中(御正殿の前)で参拝できるのは天皇皇后両陛下のみとされている。
4:宇治橋
外宮の参拝を終えたら、いよいよ日本人の総氏神・天照大御神が祀られている内宮へ向かう。入り口の鳥居から、御祭神が祀られているお宮までの距離は、およそ800メートル。内宮の神域だけでも東京ドーム20個分という広大さだ。鳥居をくぐってすぐのところには、宇治橋がかけられているのだが、欄干に施されている伝統的な装飾・擬宝珠(ぎぼし)も、注目ポイントのひとつ。ここの擬宝珠には、宇治橋の守り神のお札が入っており、人々の安全を祈願する神聖なものなのだという。
また、全長101メートルの宇治橋は、20年間でおよそ1億人の人が通るため、約5センチすり減ると言われている。伊勢神宮では20年に1度、隣の敷地に同じ形の社殿を造り、神様が引っ越しする「式年遷宮」という神事が行われているが、その際に宇治橋も建て替えられているそうだ。
5:伊勢神宮 内宮 五十鈴川(いすずがわ)
宇治橋を渡り、秀斗くんが向かった先は、徳川綱吉の母・桂昌院が寄進したという五十鈴川。その昔、手水舎が無かった頃は、ここで手を洗っていたという。秀斗くんは昔の参拝者に思いを馳せながら、川で手を洗い、正宮を目指した。
6:伊勢神宮 内宮 正宮
正式には、皇大神宮(こうたいじんぐう)と呼ばれる、内宮の中心となるお宮・正宮。今からおよそ2000年前、皇位のしるしである、三種の神器のひとつ「八咫鏡(やたのかがみ)」を御神体として、天照大御神を祀ったのが始まりとされる。なお、一般の参拝者は御正殿に入ることはできず、天皇皇后両陛下のみ、立ち入りが許されている。
7:金剛證寺(こんごうしょうじ)
秀斗くんが提案するベスト参拝ルートのゴール地点は、なんと神社ではなくお寺。お伊勢参りの最後には、約1200年前、弘法大師・空海によって開山された金剛證寺に立ち寄るべきだと、秀斗くんは力説する。しかしなぜ、神社ではなくお寺なのか。その答えは、金剛證寺の本堂にあった。10センチ角の金箔9000枚が張り巡らされた豪華絢爛な本堂は、約400年前に徳川家康の命で再建されたもので、現在は国の重要文化財に指定されている。
御本尊が納められている宮殿の裏側に祀られているのは、天照大御神。仏教の菩薩様と神道の中心である天照大御神が、ひとつの建物の中に共存しているのは、極めて珍しい。実は金剛證寺がある朝熊山(あさまやま)は、天照大御神が降り立った神聖な場所。その朝熊山に仏教の修行の場として、金剛證寺が建てられたため、神道への敬意から、天照大御神も一緒に祀ることになったと言われている。
また、金剛證寺に祀られる仏様が、伊勢神宮の鬼門である北東の方角を守っていることから、このお寺にも参拝することで、伊勢参りが完結するとの考えも。秀斗くんは「伊勢参りの最終地点に相応しい場所」と話していた。
この記事の画像一覧