日向坂46の齊藤京子が、不貞の進化系「パラサイト不倫」に身を投じる連続ドラマ『泥濘の食卓』(土曜11:30)の第3話が放送された。不倫相手・那須川夏生店長(吉沢悠)の“良き夫”としての顔を図らずも目の当たりにしてしまった深愛(齊藤)。大口を開けながらの大号泣&4時間徘徊、さらには病み微笑など、齊藤が渾身の表現力で悲しきパラサイト不倫を体現した。
原作は、2016年に『悪い夢だといいのにな』で第75回ちばてつや賞大賞に輝いた新進気鋭の漫画家・伊奈子による同名コミック。「パラサイト不倫」といういまだかつてないジャンルを誕生させた衝撃作だ。アルバイト先のスーパーの店長と不倫している深愛が、店長家族の中に入り込み、妻や息子の心にパラサイト。店長一家を泥濘へと引きずり込んでいく。
突然の別れを切り出されて以降、不倫相手・那須川店長から避けられている深愛。会いたい思いを募らせる深愛は、心の病を抱える妻・ふみこ(戸田菜穂)を献身的に支える那須川店長の姿を見たというバイト同僚の話に、わかってはいたもののショックを受ける。そしてフラフラと町をうろつき、気づけば深愛はふみこが通院するクリニックの前に立っていた。
「何をしてるんだ、私…」と我に返りそうになった次の瞬間、深愛は那須川店長が妻・ふみこを労わりながらクリニックを後にする姿を目撃する。明らかに自分の入る余地のなさそうな夫婦の固い絆を目の当たりにした深愛は絶望し、温かそうな家庭の光がこぼれる那須川家の窓を見上げて大号泣。4時間近く那須川家周辺を徘徊するのだった。それからというもの髪は抜け、生理は2週間続き、不眠が襲う。ついには那須川店長の顔を見ることすら辛くなり、深愛はスーパー・すずらんのアルバイトを辞めてしまう。
だが1週間後、那須川店長から「会って話がしたい」との連絡が入る。那須川店長との幸せを諦めきれない深愛は「ランチだけなら…」と再会することに。深愛は久しぶりに会った那須川店長から「深愛ちゃん、なんか痩せてない?」と驚かれるも、病んでいたことを気づかれないように「そうですか?」と微笑を浮かべるのだった。
那須川店長の良き夫としての姿を目撃して大泣き、そして那須川店長との再会の際に見せる陰りを帯びたような微笑。煌びやかな世界でパフォーマンスをするアイドルの時には見せない、齊藤京子の常軌を逸した病み演技の妙。その炸裂の瞬間を目撃してほしい。