日向坂46の齊藤京子が、不貞の進化系「パラサイト不倫」に身を投じるテレビ朝日系連続ドラマ『泥濘の食卓』(土曜11:30)の第3話が、あまりにも胸クソだ。不倫相手・那須川店長(吉沢悠)の良き夫としての姿を目撃したことで、身も心も破壊された深愛(齊藤)。しかしそんな悲しみを知ろうとさえしない那須川店長は深愛を押し倒す。しかも狭い車内で…。
原作は、2016年に『悪い夢だといいのにな』で第75回ちばてつや賞大賞に輝いた新進気鋭の漫画家・伊奈子による同名コミック。「パラサイト不倫」といういまだかつてないジャンルを誕生させた衝撃作だ。アルバイト先のスーパーの店長と不倫している深愛が、店長家族の中に入り込み、妻や息子の心にパラサイト。店長一家を泥濘へと引きずり込んでいく。
心を病んだ妻・ふみこ(戸田菜穂)を献身的に支える那須川店長の姿を目にしてしまった深愛は、ついにスーパーのアルバイトを辞める。そんな深愛に対して、那須川店長は「会いたい」と連絡。深愛は「ランチだけなら」と再会を約束する。
理由を告げずにバイトを辞めた深愛と約1週間ぶりに会った那須川店長は、深愛がやつれていることに気が付くも、特に深追いせず。しかも昼時に誘っておきながら、ランチはテイクアウトしたハンバーガーを車中で食べるだけ。
そんな気まずい空気の中、那須川店長は「こんなんで僕は終わりにしたくない。突然会えなくなるのは嫌だ」と深愛にもたれかかる。深愛は「私のことよりご家族のことを大事にしてください。私、店長の負担になりたくないんです」と口では言うも、内心は「私だって店長と別れたくない。でも店長は家族を優先すべき」との葛藤を抱えていた。
すると那須川店長は深愛の顔を手で包み込むかのようにして「元気が出るんだよ、こうして深愛ちゃんを触ると」と見つめ「だからこれからもそばにいてほしい」と訴える。自己肯定感の低い深愛はその言葉を真に受けて「悩んでいる場合じゃない。やっぱり助けなきゃ、私が」と思い直してしまう。
それからというもの、深愛と車中密会を続ける那須川店長。深愛から福祉関係の仕事を目指していることを聞くと「深愛ちゃんに向いていると思う」といきなり手を握り「俺、深愛ちゃんのそういうところ大好き」と抱き着いて、カーセックスに持ち込むのだった。
相手の立場に深入りせず、密会場所も車中。食事もカジュアルかつリーズナブルに済まし、相手の好意に付け込んで丸め込み、自分の欲望のみを果たす。これら那須川店長の行動は、都合よく不倫相手を繋ぎ止めようとする不貞既婚男性の典型例だ。深愛が福祉関係の仕事を目指している真の理由も知らず、不倫関係を維持しようとする那須川店長。パラサイト不倫という地獄を目の当たりにした時、彼は一体何を思うのか?二人の関係から目が離せない。