「ウイスキーが好きじゃないと出来ない仕事」『駒田蒸留所へようこそ』早見沙織インタビュー | アニメニュース

2021年放送のお仕事シリーズへ【動画】

　2011年に放送されたTVアニメ『花咲くいろは』を皮切りに、アニメ業界のもの作りの過程を描いた『SHIROBAKO』など、働く人々の奮闘を描いた「お仕事シリーズ」を発表してきたアニメスタジオ・P.A.WORKS。

【動画】P.A.WORKSお仕事シリーズ『SHIROBAKO』

　その「お仕事シリーズ」最新作が、ジャパニーズウイスキーの蒸留所を舞台に、先代の跡を継ぎ家族の絆である幻のウイスキー「KOMA」の復活を目指す『駒田蒸留所へようこそ』だ。

　劇場アニメとして2023年11月10日の公開を控えるタイミングで、主人公となる若き女性社長・駒田琉生（こまだるい）を演じた人気声優の早見沙織（はやみさおり）にインタビューを実施。本作や物語の重要なキーとなるウイスキーの印象について話を伺った。

　琉生をはじめとする登場人物たちの仕事模様が描かれていく本作について、早見は「お仕事に熱意を持って向きあっている人はもちろん、いろいろな形で向き合っている人が描かれているので、観た人がそれぞれの立場で共感していただける作品だと思いました」と、脚本を読んだ上でのファーストインプレッションを話してくれた。

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　ブレンダーとしてウイスキー造りに奮闘する琉生について、さらに話を聞いていく。「私はウイスキーがどのように作られるのかについて無知だったので、作品を通じて、こんなにも細かなこだわりと強い想いがあって1杯のお酒が生み出されていることを知りました。

　たくさんの人の想いが込められてもの作りがなされていると、わかっていたつもりではあったのですが、「お仕事シリーズ」を通じてP.A.WORKSさんはよりリアルに胸に迫る形でそれを描いているので、脚本を読んでから出来上がったアニメを観て、さらに感動しました」と語ってくれた。

　ウイスキーは「ハイボールをよく飲みます」という早見に、この作品に関わる前のウイスキーの印象を聞いてみる。「言葉のイメージと自分が持っていた印象としては、「すごく大人なお酒」ですね。以前、先輩方におしゃれなバーに連れて行っていただいたときに、ロックでウイスキーを飲んでみたことがあるのですが、喉にグワッとくる力強さを感じつつも、これを飲みながらゆっくりとした大人な時間を過ごすのは、とても素敵だなという（笑）」

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　本作に関わってどのように印象が変わったのかについて「自分には手が届かないような背伸びした大人のお酒というよりは、本作では製造工程なども丁寧に描かれていたこともあって、1つ1つ地道にこだわって作られたお酒なのだという背景に想いを馳せられるようになりました。琉生を演じたあと改めてウイスキーを手に入れたのですが、たくさんの人の想いが込められた素敵なお酒なのだと、今では親近感を持って飲むことができます」と語る。

　こだわりのウイスキー作りの描写として、琉生がブレンダーとして数々のウイスキーを試飲する場面や、バーでもウイスキーをストレートで飲んでいる場面が印象的だ。早見は「明るい時間からいっぱい試飲していてすごいなって（笑）」と相槌を打ちつつも「やっぱりウイスキーが好きじゃないと出来ない仕事ですし、どこまでもこだわることができると思うので奥が深いと感じます」とブレンダーという仕事への敬意を表していた。

　早見のようにウイスキーに対する印象が変わることはもちろん、仕事に向き合う人間ドラマを通じて大切なものが見えてくるはずだ。丁寧に描かれるウイスキー作りの描写と物語を、劇場でじっくりと味わうように鑑賞してみてほしい。