歌手の坂本冬美が『徹子の部屋』に出演。坂本は今年55歳の弟を亡くしており、弟が余命半年の癌とわかった時には「私はもう歌えなくてもいいから、1日でも長く弟を生かしてやってください」と毎日亡き両親に手を合わせていたと語った。
11月14日(火)、黒柳徹子の『徹子の部屋』(テレビ朝日系列)が放送。歌手・坂本冬美が出演した。坂本は26年前に55歳だった父を亡くし、昨年6月に母、今年は55歳の弟を相次いで亡くしている。「弟ですけど男の子をどっかで頼りにしていますよね。その中心の弟がいなくなったっていうのは、やっぱり…きついです」と喪失感をにじませた。
弟は母の介護に6年間献身。母が昨年6月に亡くなったわずか3か月後に癌が見つかったという。その時点で弟の宣告された余命は半年。坂本は「弟も父と同じ歳で亡くなってしまった」と悲痛な面持ちを見せた。坂本は「癌が見つかっても強く明るい弟でした。『負けてられない』『絶対に生きるんだ』という強い気持ちを持ってあらゆる治療を頑張ってくれた」と振り返り、「私はもう歌えなくてもいいから、1日でも長く弟を生かしてやってください」と毎日両親に手を合わせていたという。
坂本は「だから無念と言えば無念なんです。まだちょっと受け入れられない」と明かし、「やっぱり弟っていうのはちょっと気持ちの整理がつかない。どこかで受け入れたくないってのがあります」と涙を流して打ち明けた。黒柳も涙ぐみ、「55って言ったわね、まだまだ若いですよね」と同情。「今は健康で好きなことができているので、あなたはありがたいって思ってらっしゃるのね」と語りかけた。坂本は「そうですね」とうなずき、「健康でいるのが何より幸せなこと。その上好きな歌をやらせていただいて申し訳ないくらい幸せで」と前を向いた。「毎朝手を合わせて仕事に出るんですけども、その時だけ。1歩外に出たらなるべく母のことも弟のことも忘れて。そうしないと仕事にならないなと思いながらやってます」と相次ぐ死を受け入れがたい様子を見せた。