「悪質な売掛をやっている一部の店・ホストには思うところがある」 “高額ツケ払い”問題、自主規制は可能? 現役ホスト&新宿区長に聞く
【映像】女性客に対するホスト業界“暗黙のルール”
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 売掛金回収のため、特殊詐欺を働いたり、女性客の顔を殴り現金を奪うなどなど連日事件が起き、問題となっているホストクラブの「ツケ払い」。返済能力をはるかに超えた借金を背負った女性が売春や風俗で働かされるケースも多発している。

【映像】現役ホストが明かす、女性客に対する“業界暗黙のルール”

 吉住健一・新宿区長は17日、会見を開き、売掛金を自主規制するよう店に要請する方針を示した。一方で、売掛禁止条例については「条例化はかなり難しいだろうという認識を持っている。憲法で認められている職業の自由、あるいは民法で定められている契約自由の原則などのハードルがある」とし、「恋愛感情を持つ女性を性風俗に従事させて、売掛金の支払いをさせるような男性はいない。そうした男性はそもそも恋愛詐欺師であるということを認識していただきたい」と呼びかけた。

 さらに、規制をめぐって国会でも議論に。悪質ホストの売掛問題について、22日の『ABEMA Prime』で新宿区長、歌舞伎町の現役ホストとともに考えた。

■新宿区長「お客さん側に“引っかからないで”と強く言いたい」

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 自主規制を要請する理由について、吉住区長は「法律を越えて条例を作ることはできない」とした上で、「消費者契約法や民法の公序良俗に反する契約など、訴えさえしてくれれば支払いを免れることができるし、東京都のぼったくり防止条例に基づいて摘発もできる。その権利を行使していないがゆえに、今の状態が残っている」と説明。

 ホスト問題は昔からあるものだといい、「歌舞伎町は非常に匿名性の高い街。いろいろ集まって来る人に対して、過去を問わずに包容力を持って受け入れてきた。ホストの問題も昔からあるが、今は限度を超えてしまっている。“これ以上やったら相手を破滅させる”とわかっていながらやめる気がないので、今回は厳しくやる必要がある。業界の方からも『自主ルールを作りたい』という申し出があり、どこまでみなさんが納得いくルールを作れるかということで対話を始めさせていただいた。これが最後のチャンスだと思う」と危機感を示す。

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 今回のメッセージは「恋愛詐欺師という言葉がひとり歩きしているが、お客さん側に“引っかからないでください”と強く言いたかった」としつつ、ホストクラブ側へも「社員教育をしっかりやっていただくことがまず大事。ホストの人数が飽和状態になっていて、その中でトップを取るために無理をしないといけないのではないか。1億円プレイヤーになりたいとか、名誉がほしいということで、無理な売掛をしていると思う。一度クールダウンしようというのが正直な思いだ」と呼びかけた。

■「悪質な売掛をやっている一部の店・ホストは迷惑だ」

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 歌舞伎町の現役ホスト・みさき氏のお店では、限られた人しか売掛はできないという。「売上上位3人とか役職がついている人にしか許可は出ない。許可が出ても、女の子が払わなかったら結局自分の負担になってしまうので、個人としてもちゃんと返してくれそうな子かを見ている」と話す。

 その見極めについては、「10回以上指名して来てくれるのが最低ライン。ただ、毎回の会計が1~2万円で、10回目に来た時に“100万円の会計を掛けにしたい”と言われた場合は、もちろん断る。最初は現金入金のみから、掛けは信頼の積み重ねによって変わっていく感じだ。一方で、指名が長くなってきた子の場合、掛けを断ると“私のことを信頼してないんだ”と思ってしまう子もいる」と説明。みさき氏は計数百万円以上の売掛があるが、すべて返ってくる見込みだという。

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 また、ホストにもグラデーションがあると指摘する。「一部の個人店やホストが悪質な売掛をやっているのは、僕らも思うところがある。例えば、指名1回目で来た女の子に対して、酔っているところに漬け込んで高額な掛けにしていることもある。そういうホストは迷惑だ」。

 お金をかけてくれる女の子に対して、みさきさんは「誠意をもって応えたい」というスタンス。「僕の営業方法は、付き合う前の“友達以上恋人未満”みたいな、ちょっと距離感が近い飲み方をする。女の子の会計がいつもより高くなって、“この後も一緒に飲みたい”となったら(アフターに)行く。さらに高額な100万円の会計になって、“ホテルに行きたい”と言われたら行く場合もある。女の子が求めていることになるべく応えてあげたい」と明かした。

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 いわゆる枕営業や色恋営業についてはどう感じているのか。「僕らホストは“ナンバーワンになりたい”という理由づけがある。女の子はそれを応援する中で、自分もちょっと見栄を張ってかっこつけたいとお金を出す。そこで支払いが漏れ、大きくなったものが表面化して問題になっていると思う」と指摘した。

 みさき氏は、「自主的な規制」に店側は応じないとの見方を示している。「対話でなんとかなるかと言われたら、現場としてはあまり変わらない気がする。お店も利益が欲しいからだ。正直、売掛を禁止にすれば、闇金かホストからお金を借りることになるだろう。個人的には、僕のために体を売るようなことはもちろんしてほしくない。例えば昼職で、月に1回羽目を外しに来るみたいな、楽しくワイワイ飲めたらいいなと思っている」。(『ABEMA Prime』より)

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