カメラは「悪霊を呼び寄せる魔物」と考える原始的な生活を送る部族の密着取材を決行したところ、部族の中の若者が失踪する出来事が発生。それを機に、取材班は不穏な空気を感じるようになる一幕があった。
テレビ朝日にて毎週日曜朝11時より放送されている『ナスD大冒険TV』(※一部地域を除く)。11月26日の放送回では、36年前に南米・ヤノマミ部族に密着した映像が届けられた。なお、ABEMAでは「アベマオリジナル」と題したノーカット版が配信されている。
36年前に訪れたのはナスDと共にヒマラヤ旅を行う、元テレビ朝日で『ニュースステーション』にも携わった“伝説の辺境”ディレクター・大谷映芳氏だ。当時、大谷氏は探検家の関野吉晴さんと一緒に行ったそうだが「関野くんが前の年に行っていたので、“じゃあ行きましょう”となったの。あそこだったら村長ともコンタクトが取れたので」ときっかけを話す。
密着中、村の中では突如、祈りの声が鳴り響いた。呪術師が病人を治療しているのだという。ヤノマミ部族の世界では病気の原因は超自然的な物によるものだと考えられているそうだ。悪霊を追い払う呪術師は、村長と並んで、部族の精神的な指導者でもある。
そんな中、ある日突然、取材班は村の中が静まり返っているのに気がついた。呪術師の泣きながら、祈る声だけが聞こえる。どうやら、ひとりの若者が狩りに出たまま戻って来ないのだそうだ。
すると、取材班が村に悪霊を運び込んだためではないかという噂が流れた。部族の人はカメラが悪霊を呼び寄せる魔物だと考えているのだ。気まずい空気が村を支配した。
翌日、子供たちの笑い声が聞こえた。行方不明になっていた若者が無事に戻ってきたのだ。獲物を深追いして、戻れなくなり、森で一夜を明かしたのだという。村に活気が戻り撮影を再開することにした取材班……。
大谷氏は以前の放送で「帰ってこなかった晩は占い師が一晩中お祈りしてましたね。関野くんと話して“帰ってこなかったら本当にマズイ”と。でも結局、早朝に帰って来てて、それで“まぁ良かったね”となりました。帰ってこなかった晩は異様な雰囲気でしたよ」と回顧していた。
(ABEMA『ナスD大冒険TV』より)