自分には何もない…「僕青」の非選抜チーム「雲組」、不安や葛藤も見出した活路「ある意味、チャンスじゃない?」
選抜メンバーから落選…涙する「雲組」メンバーたち
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 乃木坂46の公式ライバル「僕が見たかった青空」、通称“僕青”に選抜制度が導入。一人一人に現時点での評価が下され、選抜チーム「青空組」と、非選抜チーム「雲組」の2チームに分けることが発表された。「青空組」は、主に表題曲となるメインの楽曲を担い、メディアでのプロモーションを軸に活動。今後、「雲組」にもオリジナルの楽曲が与えられるが、メディア露出は「青空組」に比べ少なく、ライブやリアルイベントなどを中心に活動していく方針だという。厳しい現実を突きつけられた「雲組」のメンバーは今、何を感じているのか。彼女たちに密着した。

【映像】選抜メンバーから落選…涙する「雲組」メンバーたちとその本音

 乃木坂46の公式ライバル「僕が見たかった青空」、通称“僕青”。3万人以上の応募者からオーディションを勝ち抜いた23人で活動している。8月30日にデビューしたばかりにもかかわらず、今年の日本レコード大賞、新人賞を受賞。さらに12月には初のワンマンライブを控えるなど、今、勢いのあるグループだ。

 そんな僕青のメンバーに激震が走ったのが11月11日。来年1月31日に発売されるセカンドシングルで、乃木坂46なども採用している「選抜制」が導入されることが発表されたのだ。

 導入理由についてスタッフは「選抜のチームともう一つのチームを作ります。チームを2つに分けることによって、僕青としての幅広い活動ができるのではないかというふうに思っております。さらに、1チームを少人数にするということで、顔を覚えていただきやすいようにしたいなという思いもあり、セカンドシングルは選抜制にしようという結論に至りました」と説明。

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 選抜の基準は、これまでの活動の中での人気はもちろんのこと、現時点での各人のダンス、ボーカルのレベルを見てとのこと。選抜メンバーチームは「青空組」、非選抜メンバーは「雲組」とされた。

 今回、「青空組」に入ったのは、安納蒼衣、伊藤ゆず、金澤亜美、工藤唯愛、塩釜菜那、杉浦英恋、西森弥、早﨑すずき、宮腰友里亜、八木仁愛、柳堀花怜、吉本此那の12名。セカンドシングルのセンターは、ファーストシングルに引き続き、八木が担当することになった。

「自分には何もない」厳しい現実に「雲組」メンバー涙

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 発表後、動揺を隠せない非選抜の「雲組」のメンバーたち。

須永心海「悔しいです。ダンスとか、歌とかみんなより足りないところばっかりだからだと思います」

八重樫美伊咲「自分では頑張っていたつもりだったけど、残れなかったってことは、もっとやれるってことなので。もっと練習して、頑張りたいと思いました」

岩本理瑚「ダンスとか歌とか人気とか、何もないので…自分に足りないことがたくさん、みんなよりあるから。セカンド決まりましたって言われたときから落ちちゃうかもって不安で、落ちちゃったんですけど、やっぱ悔しいから、もっと頑張らなきゃって思いました」

持永真奈「音楽番組だったり、メディアに出る回数っていうのも結構、差が出てくると思うし、グループを知ってもらうときに自分がいないっていうのはすごい悲しいかなって思います」

「メディアを通して家族に活躍を見てもらえない」15歳で上京・秋田莉杏が滲ます悔しさ

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 「雲組」メンバーの中でも、感情を誰よりも露わにしていたのが秋田莉杏だ。兵庫県出身の秋田は、アイドルになるため若干15歳で親元を離れ上京。そんな彼女のモチベーションは、メディアに出ている自分の姿を家族に見てもらうことだったのだ。

 「私がどんどんメディアとかでなくなった時に、家族に不安というか、今離れて住んでいるからこそ、家族にも私の姿を見てほしいし、テレビで活躍する自分の姿を知ってほしい。家族に安心というか、喜んでもらえるように、自分ももっと上を目指して、もし選抜とかそういうのがあった場合は、(見てもらいたいので)入りたいという気持ちがあります」と語っていた秋田。

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 以前、僕青YouTubeチャンネルでは、秋田の母親からのメッセージも紹介。「新しい環境での日々の生活だけでも大変なのに、毎日レッスンにいったり、一人で何もかもしなければいけない状況。しんどいときもあると思う。でも精神的に辛くなったり、しんどくなったときはいつでも頼ってください。すぐに東京に駆けつけて抱きしめたいと思うので安心してね」と娘に向けてエールを送っていた。

 しかし、秋田はメディアでのプロモーションを軸に活動する「青空組」に落選。「単刀直入に言うと悔しいなっていう気持ちが大きいです。家族とは今離れているので、テレビとかを通してでしか私の活躍はわからないので。メディアを通して家族に活躍を見てもらえないのは本当に悔しいです」と、本音を語った。

センター八木を支えた年長組の20歳・長谷川稀未も落選 

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 グループ内では年長組にあたる20歳の長谷川稀未も雲組となったメンバーの一人だ。デビュー前から若いメンバーを支えることに力を注いできた長谷川は、八木がセンターに抜擢されプレッシャーに押し潰されそうなときには「何でも悩んでいることとかあったら頼ってほしいし、話してほしいし、一人で抱え込まないでほしいなって思って、そういったことを、メッセージ送って」と声がけ。長谷川からいつも聞こえてくるのは、自分の「したい」ではなく、メンバーに「こうしてあげたい」ばかりだった。

 「支える側に徹するのも役目だと思うし、年齢が上っていう、その良さを生かしたいと考えています」と語っていた長谷川。ブログでも、自己PRではなく、メンバー全員の良いところを紹介していた。

【ブログ:八木仁愛について】
とあちゃんって、唯一無二の雰囲気がありますよね。
かわいいだけじゃなくって、どこか儚くて、透き通っていて、
見ていて心が洗われるような、そんな雰囲気。
そして、その雰囲気を裏切らない綺麗な心の持ち主です。

【ブログ:柳堀花怜について】
かれんちゃんには人を惹きつける魅力があります。
明るくて優しくて愛嬌があって、
誰とも壁を作らない。凄く人柄が良いんです。

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 レッスンスタジオでは、率先して準備を行っていた長谷川。しかし、彼女の名前が呼ばれることはなかった。

長谷川「一番はやっぱり申し訳ないなという。私のことを応援してくれる方がいたのに。メディアには出れないですし、活躍する姿を応援してくださる方に見せられないんだと思うと申し訳ないなと思いました」

「ある意味、チャンスじゃない?」落ち込むメンバーたちを変えた長谷川・秋田らの発言

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 後日、「雲組」メンバーだけでのミーティングが行われた。選抜落ちで、落ち込むメンバーたちだが、長谷川の発言が場の空気を変えた。

長谷川「今まで23人だったけど、活動する人数が減ったってことはその分揃いやすい。だから、先生に見てもらうレッスンも、もちろん大事だけど、自主練もしたいな。それで自分たちで気づいたこととか、どんどん改善していこう」

秋田「ある意味、チャンスじゃない?」

須永「23人じゃなくて11人になったからこそ、ファンの方にも多分見つけてもらいやすい。だから、デメリットだけじゃなくて、メリットもあると思う」

 さらに、今まで心にとめていたことをこの際だからと吐き出すメンバーも。

今井優希「(今までは)ちょっとずれてるなとか。ここ違うかなとか思ったときに、言ったらその人にどう思われるかなみたいな感じで、ちょっと言いにくいところがあった。だけどそういうのを考えずに、なんでも言えるような関係になりたい」

 自分たちから僕青全体をさらに良くしようと動き出した「雲組」。

須永「雲組だけでもライブをさせてもらえるっていう、ありがたい環境にも感謝して。もらえた環境で、全力でやっていかないと、自分たちも青空組に行くことはできないし、僕青にも貢献ができないから、まずはここを頑張るしかないと思ってる」

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 選抜発表から2週間後、現在の心境を「雲組」メンバーに聞いた。

秋田「最初は結構悔しい気持ちが大きかったんですけど、そんな落ち込まずに前を向いて頑張ろうっていう話になっているので。私ももう雲組の中でも負けないように頑張ろうって思っています」

 秋田が前を向けたきっかけは、選抜発表が行われた日の夜のことだった。

秋田「帰ってから、(家族と)毎日電話はしているんですけど、当日も電話して。セカンドの選抜発表があったってことをまず最初に伝えて、『どうやった?』って言われたので、選抜になれなかったって伝えたんです。でも『何してんの?』とか、そういう怒られる言葉は一切なくて、本当に私が落ち込んでいたので、お母さんとかも、『雲組になったからこそ頑張ろうって思える気持ちも出てくるんじゃない?』とか。『今の実力がそれだとしても、今後伸びしろしかないねんから、逆に良かったんじゃない?』っていう言葉をくれたり、私の家族は前向きな言葉をかけてくれるので切り替えになりました」

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 メンバーを支えることに徹してきた長谷川も前を向いている。

長谷川「雲組のメンバー同士でもどうしたらいいかなとか、これからの雲組の活動について話し合ったり、一緒に気分転換にご飯いったりしたり、そういうところで話しているうちに、このメンバーでセカンドシングル期間は頑張りたいなって思うようになりました。歌番組とかが決まって、私たち出れないんだ…とか、青空組のメンバーが撮影いったり練習したりしているところを見ると、いいなとは思うけど…でも、落ち込んでいても変わらないので、置かれた場所で咲くというか、今私にできること、目の前にあることを地道に頑張りたいなと思っています」

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 そしてこの日も長谷川からはメンバーへの思いが聞かれた。

長谷川「選抜に選ばれたメンバーも僕青を代表してっていう。プレッシャーとかもあるのかなって思うし、下手に口出しするのもよくないかなと思うんですけど、寄り添って上げられることはできたらいいなと思っています」

 他の「雲組」メンバーも顔を上げている。

岩本「選抜落ちっていうのも私にとってチャンスに変えなきゃいけないので、むしろ選抜を作ってくれたことに感謝して、この悔しさを糧にどんどん成長して前向きに頑張りたいと思います」

青木宙帆「反省しなきゃいけない部分も多いなというのは感じるんですけど、立ち位置がわかるからこそ、目指す場所がはっきりしたというか。歌とかダンスとか、アイドルの基礎となる部分を磨ける期間だなって自分では思っています」

 雨降って地固まる。「雲組」から流れ落ちた涙は絆をより強固なものに。「青空組」と「雲組」という2本の足で立ち上がり、安定感を増した僕青。あとは、あゆみを進めていくのみだ。

(『ABEMA NEWS』より)

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