日向坂46の齊藤京子が不貞の進化系「パラサイト不倫」に身を投じる、テレビ朝日系連続ドラマ『泥濘の食卓』(土曜11:30)。第7話では、パラサイト不倫女育成の元凶である毒母のバックグラウンドが明らかになる。しかし、それはあまりにも辛く悲しくヘビーな背景だった。
ドラマの原作は、2016年に『悪い夢だといいのにな』で第75回ちばてつや賞大賞に輝いた新進気鋭の漫画家・伊奈子による同名コミック。アルバイト先のスーパーの店長と不倫している深愛(齊藤)が、店長家族の中に入り込み、妻や息子の心にパラサイト。店長一家を泥濘へと引きずり込んでいく。「パラサイト不倫」といういまだかつてないジャンルを誕生させた衝撃作で、第1話から第6話までの見逃し配信は計300万回再生を突破している。
深愛を支配下に置くようなエグい育児をしてきた毒母の美幸(筒井真理子)は、タンスの中にある義母の着物の匂いに嫌悪感を覚えるとともに、トラウマ級の過去を思い出す。それは夫とその両親がまだ健在だった頃の記憶だ。
「おい!お茶!」「ちょっと美幸さん、お茶のおかわり早く!」。義父母から超絶罵倒のモラハラを受けているのは、まだ深愛が幼かった頃の美幸。「お、お義母さんは、こ、濃いめ…」などと手と声を震わせながら急須に湯を注いでいると、夫の妹で唯一家族に反発しているあかり(ヒコロヒー)と義父が取っ組み合いの大喧嘩を始める。
顔面にお茶をぶっかけられたあかりを介抱する美幸だったが、あかりは「美幸さん出ていかないの?お茶いつも3つしか入れてないじゃん。一緒に飲ませてもらえないってことでしょ?奴隷扱いされてもいいってこと?私、あのジジイとババアにもムカついてるけど、美幸さんにもムカついてるんだよ。なんで逃げないの!?こんなひどい目にあわされて…。そのうち深愛ちゃんにも暴力振るうようになる」と痛いところを突く。
現実を直視したくないのか、美幸は「そ、そんな…。いや、子どもには…。深愛には父親が必要だから。私が我慢すれば…」とモゴモゴと言い訳をするも、あかりからは「じゃあ、あんたも加害者じゃん」と鋭い一撃。呆然となった美幸は「なんで…私頑張ってきたのに…」と心の中でつぶやくしかなかった。それから一か月後、義父母が交通事故で即死。警察からの訃報を知らせる電話を受けた美幸は、狂ったような笑い声をあげながら「嬉しかった」と思うのだった。
そして現在。毒親ではあるものの、全てを犠牲にして自分なりのやり方で娘・深愛を慈しみ、歪んではいるが、その幸せを願っている美幸。自分に頭の上がらない素直な深愛の姿を見て「神様、深愛は私の思う通りのいい子に育っています」と目に涙を浮かべて喜んだりする。しかしその直後、深愛の耳に自分の知らないピアスの穴が開いているのを発見してしまう。愕然とする美幸の表情の意味とは?果たして美幸は深愛の変化を受け入れることができるのか?