建設費が350億円かかるものの半年で解体される予定となっている、大阪·関西万博のパビリオンを囲む木造の巨大な大屋根リング。本当に必要なのか疑問の声があがる中、18日のABEMA『NewsBAR橋下』で橋下徹氏と古舘伊知郎氏が議論を交わした。
古舘氏は「是々非々で考えないといけない」と“懐疑派”の撤回を表明し、「国際博覧会で終われば大反対するが、その後ろにはIR(統合型リゾート)があり、あの埋立地はしっかり有効活用しないといけない。東京一極集中で、大阪の経済が沈滞するのは駄目。東京と大阪がせめぎ合うくらいが健全だ」と支持する。
橋下氏は「政治家や専門家は無駄遣いと言うが、350億円のうち誰かが不当に利益を得ているのだったらそこは追及すべき。しかし、基本は資材の高騰で、森林事業者にお金がいくだけでなく、建設費として人員や賃金も増やさなければいけない。まさに国会議員が言っていた財政出動による賃金アップの具体的な経済政策だ。一般式で弾き出された経済効果は2兆5000億円前後、外国や国内から来られた方が消費するのが大体1兆円。2000~3000億円でここまで効果を出す政策はもう日本にはない」と説明。
万博の中身についても、「少子高齢化時代や地球温暖化も含めて、世界各国さまざまな課題にぶつかる。そのソリューションを提供しようというのが今回の万博で、単なる展示のお祭りではない。ものすごく重要なのは、パレスチナも展示の機会を設定していること。戦争の問題についてもいろいろな価値観を出したらいいと思う」と述べた。
古舘氏は「それらを伝えないで、テレビも新聞も反対ありきだ。こぞって予算の上振ればかり言うから、世論調査で70%以上が反対となってしまう。国民も、僕らも悪いと思う」と指摘した。
リングについて、大阪府の吉村知事は壊さないで残す可能性について言及している。橋下氏は「350億円使って6カ月で壊すことに批判があるのは間違いない。一方で、万博後に大きな施設を作るとなった場合、リングが邪魔になってしまう」とした上で、「岡本太郎さんの太陽の塔も、当時は無駄だと大批判だったが、今では大阪のシンボルとなった。今回の巨大リングは『国民にとって必要』と説明されたが、いらないと言う人もいる。詭弁を言わずに、『万博のために必要だ』と言い切ればいい」と訴える。
古舘氏は「これだけ賛否両論を起こした存在を残すということが大事。それで文句を言う人がいれば、また議論をすればいい。見せかけだけのSDGsで、ぜんぶ再利用すると言うからいけない。究極の無駄遣いがどれだけ跳ね返ってくるのか開き直ってもらいたい」とした。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)