ヒマラヤの地を訪れた医師が現地で怪我をした少年に麻酔なしで縫合手術を実施する一幕があった。『ナスD大冒険TV』ではボランティアで働く医師の姿に密着した。
テレビ朝日にて毎週日曜朝11時より放送されている『ナスD大冒険TV』(※一部地域を除く)。12月3日の放送回では、「天空のヒマラヤ部族 ナスDの単独取材編」の様子が届けられた。ナスDは「2回目の冬を撮影しないとこの企画の意味がない」と説明し、ほかのスタッフは日本に帰し、小型のハンディカメラ1台で、単独取材を決行。なお、ABEMAでは「アベマオリジナル」と題したノーカット版が配信されている。
そんなナスDとは別に、単独でヒマラヤ・ドルポにやってきたのが、元テレビ朝日で『ニュースステーション』にも携わった“伝説の辺境”ディレクター・大谷映芳氏だ。大谷氏は今からおよそ30年前にドルポを取材してから、その後も番組とは一切関係なく、薬などの必要な物を持って、この地を訪れていた。
今回、やってきたのは大谷氏だけでなく、病院の院長も務める医師・神尾重則氏。神尾氏も多忙の中、大谷氏と一緒にたびたびドルポを訪れ、子供達の将来のためにボランティアで診察を行なっているという。
ティンギュー集落では、子供52人・大人51人が「B型肝炎(肝障害を起こすウイルス感染症。肝炎になると肝臓の細胞が壊れ、働きが悪くなる)」の血液検査を受けた。一昨年の陽性率は30%と高かったのだが、陽性反応は9名と一昨年に比べて減少。
神尾氏は、もちろん通常の診察も無償で行う。神尾氏が来たと聞き、村人たちが診察を受けに集まってきたのだ。
そんな中で、神尾氏の元へ水場で転んだ男の子が現れた。唇を切ってしまったようで、痛々しい姿になっている。突然の出来事だが、その場で麻酔なしの緊急手術が始まった。
神尾氏と一緒に訪れた元看護師の小林佐知子氏は少年に対し「偉い偉い、もうちょっとだからね。痛いけど、頑張れ!」と声をかける。神尾氏は冷静に手術を行い、傷口を縫うと「これで大丈夫だ……」と一言。手術が終わると、少年は泣き出してしまったが、小林氏は「よく頑張った!」と優しく包み込んでいた。
神尾氏は薬を3日分渡し、抜糸の仕方を説明した。大谷氏が「結局何針くらい縫われました?」と聞くと、神尾氏は「2周縫いました。2周縫う事によって出血を止める事ができました。唇は血行が良いので、治りが早いんです。唇の傷を寄せてますので、1週間もすればしっかりくっついて治ってくれると思います」と説明した。
続けて、大谷氏が「これ手術なしだったら大変でしょ?」と聞くと、神尾氏は「そうですね。変形が残りますし、出血がいつ起こるか分からないし、良かったと思います」と話し、少年に対して「偉かったぞ」と声を掛けた。
これを受け、スタジオのバイきんぐ西村瑞樹は「考え方次第では不幸中の幸いですよね。神尾先生がちょうど来てくれていた時に手術ができたわけですから」と語り、手術が終わった直後に泣き出した少年について、テレビ朝日の山本雪乃アナウンサーは「緊張の糸が切れたんでしょうね」と心情を推測っていた。
我慢した強い少年の姿に視聴者は感動。「手術怖い〜…よくがんばった!!(泣)」「怪我をした男の子良く頑張ったね」「麻酔なし、、、ヒマラヤの子ども偉い!!」などの声が寄せられたほか、神尾氏の行動力には「医師免許があってもこの歳で海外行く勇気がすごい」「神尾先生、ありがとうございます」などのコメントがX(旧Twitter)に寄せられていた。
(ABEMA『ナスD大冒険TV』より)