日向坂46の齊藤京子がパラサイト不倫女を怪演する、テレビ朝日系連続ドラマ『泥濘の食卓』。ついに迎えた最終回では、これまで父としても夫としてもゲスだった不倫男・那須川店長(吉沢悠)が、最後の最後に妻や息子に大きな背中を見せつける。
ドラマの原作は、2016年に『悪い夢だといいのにな』で第75回ちばてつや賞大賞に輝いた新進気鋭の漫画家・伊奈子による同名コミック。アルバイト先のスーパーの店長と不倫している深愛(齊藤)が、店長家族の中に入り込み、妻や息子の心にパラサイト。店長一家を泥濘へと引きずり込んでいく。「パラサイト不倫」といういまだかつてないジャンルを誕生させた衝撃作だ。
息子ハルキ(櫻井海音)やそのストーカー幼馴染ちふゆ(原菜乃華)、そして最愛の妻ふみこ(戸田菜穂)にまで深愛とのゲス不倫がバレてしまった那須川店長。ハルキから不倫を責められても言い訳がましくのらりくらりと真摯に答えず、息子からのリスペクトも失っていた。
そんな折、那須川店長と深愛による不貞の事実をぶちまけにハルキの自宅にやって来たちふゆが、偶然居合わせた深愛の姿に逆上。深愛を守ろうとしたハルキに馬乗りになり、包丁を高々と掲げる。だが包丁を振り下ろそうとした次の瞬間、那須川店長が二人の間に自らの体を滑り込ませ、ハルキの代わりに包丁で背中を深々と刺されてしまった。
身をていして息子をかばい、最後の最後に身を持って父親としての威厳を見せつけた那須川店長。オスとしてどんなにゲスであろうと、那須川店長はハルキの唯一ただ一人の父であり、ふみこの愛する夫であり、那須川家にはなくてはならない大黒柱だったのだ。
救急車のストレッチャーで運ばれながら「大丈夫か?」と自分のことよりも、手をケガした妻ふみこのことを心配し「大したことなくてよかった」と母子の無事に一安心する那須川店長。そして「罰が当たった。こんなの僕だけでいい」との言葉をつぶやく。その言葉は、様々な人を裏切り傷つけてしまった那須川店長の心の底からの後悔と反省だと信じたい。