国民民主党を離党表明した前原誠司氏らが新党「教育無償化を実現する会」の設立を総務省に届け出て、受理された。自民党と協力することを否定しない玉木代表と、党の路線をめぐって決裂した形だ。前原氏は非自民・非共産による政権交代を目指し、政策で協力できる政党とは協力したいとの考えを示したが、どのようなシナリオを描いているのか。16日放送のABEMA『NewsBAR橋下』で、橋下徹氏と前原氏が議論を交わした。
新党設立の経緯について前原氏は「玉木さんは“是々非々”と言っているが、私からすると“是々是々”だ。小さな野党の政策提言が聞き入れられるのは、自公になんらかのプラスがあるから。1つは野党の分断で、野党の塊ができていないというところは成功している。もう1つは民間産別(民間の産業別労働組合)、国民民主党は4つから応援してもらっているが、それを支持団体にしたいと思っている。自民党の方たちと話をすると“あなたたちじゃなく、応援団が欲しいんだ”とはっきり言う人もいる。今、自民党がガタガタな中で、すり寄るのではなくちゃんと強い野党を作らないといけない、もう一度まとめるような働きをしよう、という思いで作った」と話す。
橋下氏は「なんとか強い野党作ってもらいたい」と応援するが、「この路線対立は代表選挙で決着がついたことなんじゃないですか?いろんな考え方がある中で、“最後は多数決で決まったことには従う”というこの1点は崩しちゃいけない。それを否定してしまうと、自分が塊を作るときに“従え”と言えなくなってしまうではないですか?」と指摘。
さらに「維新と立憲に声を掛けながら野党を強くしていっても、メンバーが“考え方・路線が違うから従わない、別れるわ”となったら、永遠に強い野党にはならないと思う」と意見を述べた。
これに前原氏は「それは詭弁だ。民主党が“坂の上の雲”で政権交代までいったが、我々の未熟さのせいで3年という短命で終わった。私は人生を懸けて30年この仕事をやってきたが、目的は議員を続けることではなく、政策の実現。自民党からは何度も、今年も誘われているが、行くならとうに行っている。自民党は選挙に強いかもしれないが、この間に日本は悪くなっている。少子化や貧困・格差の問題をやってきたのは自民党だ。それに対して新たなものを作ろうとやってきたにも関わらず、分水嶺で“言うことを聞け”と言われたら、政治家をやっている意味がない」と反論。
また、橋下氏に「多数決で決まったことに全て従ってきたか?」と投げかけた上で、「多数決を守らなかったら民主主義じゃない、というのはそのとおりだ。しかし、それで歴史は動いてきたか。違うと思ってやってきたのが革命家で、あとは社会や世間から評価されるか。歴史はその繰り返しだ」と主張した。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)