安倍派の政治資金を巡る「派閥とカネ」の問題は、2日連続で所属議員側への強制捜査が行われるなど異例の展開を見せている。政権への影響も大きく、岸田内閣の支持率は低下を続けているが、対する野党も支持は伸び悩み、第一党の立憲民主党ですら、いまだ支持率は一桁台だ。
与党にも野党にも期待を持てない、そんな声が聞かれるいまの政治状況を、過去に2度「政権交代」してきた “政界の壊し屋”こと小沢一郎衆議院議員(立憲民主党)はどう見ているのか。26日の『ABEMA Prime』で聞いた。
■政権交代可能な二大政党制の実現
二大政党制の実現を目指す小沢氏は「シンボリックな言い方をしているだけで、2つでなくてもいい。ただ、哲学や考え方が異なるグループが最低1つずつはいないといけない。今のように、こんな自民党では困るという時、もう一方がしっかりしていれば、“今度は野党に政権を託そう”とできる。それが民主主義の良いところだ」と説明。
さらに、「政権が長くなると、必ず腐敗する。何をやっても権力が離れない、常に自分たちが権力者だと思うと、勝手なことをやる。それではいけないと、先人は時々政権を変えて、利権や腐敗を無くすために民主主義を選んだ」と語る。
期待する総理候補者についての質問で、具体的な名前をあげなかった小沢氏。ジャーナリストの堀潤氏が「泉健太(立憲代表)と言うと思った」と意見を述べると、「彼は、他の野党との協力体制に否定的だが、それでは勝てない。まずは自分の方針をしっかりすると同時に、他の野党とも連携して、自民党政権に取って代わろうという志が必要。“万年野党でいい”という政党はやめたほうがいい」と述べた。
また、連携できる野党として、「自公以外は全部だが、その中核となるのは、やはり数(が重要)ですから、日本維新の会ということになるだろう。我らが協力体制をちゃんとやるとなったらみんな入ると思う」とし、「立憲民主党以外でもいい人がいれば、リーダーにすべきだと思う」との見方を示した。
一方で、自民党には苦言を呈し、「小泉さん以来、自由競争で勝った者が残ればいいというものだから、一般の人の所得はずっと下がりっぱなし、格差は開きっぱなしだ。都会に集まった富を日本中に分け与えて、みんなが幸せになるようにというのが自民党の基本だった。“新自由主義“なんてかっこいい言葉も、結局は格差を作り、社会をいびつなものにする」と述べた。
■「野党を糾合して、次の総選挙で政権を取る」
現在の立憲民主党には“風”が感じられないのではないか。小沢氏は「政権を取って、自民党よりいい政治をしてくれるだろうという期待感が風だ。今の野党には全く期待感がわかない。自分らが風を吹かせないからだ」と指摘する。
さらに、「まずは立憲民主党を変え、それから野党を糾合して、次の総選挙で政権を取る」と発言。「あまり年寄りが出しゃばるのはいけないと思い大人しくしていたが、このままだと消滅してしまう。志を持った、そして他の野党にも信頼できる政党にするために、なりふり構わずやろうと思う」と意気込んだ。
小沢氏は、国民にも政権を選ぶ責任があると指摘した。
「議員個人を選ぶということは、政権も選んでいるということ。それを国民は意識しないと駄目だ。政権を変えることによって、汚職や利権といった腐敗の構造が変わる。そこに意味がある。個人の背景に、野党と与党というものを見て選んでもらいたい」
(「ABEMA Prime」より)
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