メンバーの熱意はどのチームにも負けない。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」は、2024年1月6日に放送される監督会議で「大会出場登録棋士」が発表される。『チーム中国・四国』の監督を務める山崎隆之八段(42)は「立候補も多かった」とコメント。熱気あふれるエントリーメンバーの中から、どんな4名を選ぶのか。
「なぜかわからないですけど、オリジナルな将棋を指す棋士が非常に多い」というチーム中国・四国。11名のエントリーメンバーから山崎八段はどんな編成を組むのか注目するファンは多い。「私が監督になるという話を聞いて、(大会出場を)主張してくる方もいましたね。フィッシャールールで私を倒せば選んでくれるかな、みたいなことを言われたりもしました(笑)。それだけみんな出たいということですよね」。
本大会は、羽生善治九段(53)が日本将棋連盟就任直後から掲げていた「将棋を通じての地域活性化」の理念を元に、将棋連盟100周年企画として“地域を背負う”をコンセプトに開催される団体戦。監督はエントリー棋士の中から、実力・人気・地域への貢献度など様々な要素を元に「大会出場棋士」4人を選抜しトーナメントへ臨むとあり、棋士たちも自己アピールは必至となるが、チーム中国・四国は“実力”で出場権をもぎ取ろうという血気盛んなメンバーが多いようだ。
光り輝く個性がチームのカラーだ。「地方の環境で育ってきてたことで、特殊な力の付け方をしたんですよね。変わった将棋を指しても互角の戦いができたら、将棋の可能性も広がってファンの方も楽しめるんじゃないかなと思うんです」。そんなチーム中国・四国のエントリーリストには、竜王経験者の糸谷哲郎八段(35)、王位経験者で新年7日に開幕する王将戦七番勝負挑戦者の菅井竜也八段(31)、さらに加古川青流戦を制した現役最年少棋士・藤本渚四段(18)ら強豪がズラリと並んでいる。
「初めての地域対抗戦ということでどうしても上位に行きたいので、将棋の実績で選びました。最後の1人は本当に悩んだんですけど、迷ったら自分と指してもらって、勝ったらやってもらうという感じで将棋主体で決めました」。勝利至上主義の明確なビジョンを描き、山崎監督の中での「大会出場棋士」は確定済みのようだ。
「まずは予選突破が目の前の目標。“強いチーム”と“強すぎる地域”しかないんですけど、いろんな監督から『チーム中国・四国もなかなか強い』と言われてますので、もちろん優勝を狙いたいと思います」。11名のエントリーメンバーから、どんな最強チームを組み上げるのか。山崎監督の個性的な采配に心躍らずにはいられない。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)