2024年7月3日に一万円、五千円、千円の3種類の紙幣のデザインが一新される。
なぜ改刷する必要があるのか?いまさら聞けない渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎についてもテレビ朝日経済部デスクの進藤潤耶氏に聞いた。
━━1万円札は今の福沢諭吉から渋沢栄一に、五千円札は樋口一葉から津田梅子に、千円札は野口英世から北里柴三郎にそれぞれ変わるが3人はどんな人物なのか?
「渋沢栄一は現東京証券取引所、現東京商工会議所のほか約500の企業の設立に関与し、教育・社会事業・民間外交にも尽力した。
津田梅子は岩倉使節団に随行した最初の女子留学生の一人。現津田塾大学創立など近代女子校等教育に尽力した。
北里柴三郎は世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功、ペスト菌も発見。私立伝染病研究所なども設立した」
━━この3人はどのような経緯で選ばれたのか?
「紙幣の様式は財務省や日本銀行、国立印刷局で協議して、最後は2019年4月に当時の麻生財務大臣が決定した。“日本の顔となる人物”は様々な分野で傑出した業績を残したという点、中でも『新しい産業の育成・女性活躍、そして科学の発展』という現代の日本にも通じる普遍的な課題に取り組んだことが考慮されて選ばれたようだ」
━━よく見ると新紙幣の千円の「1」と一万円「1」の形が違うようだがなぜか?
「財務省によると、『識別性向上』、つまり一目で分かるようにするためだという。さらに目が不自由な人が触って分かるように印刷が少し盛り上がっている。識別マークもより大きくし金額によって位置を変えるなど、ユニバーサルデザインとなっている」
━━最新の技術も採用されていると聞いたが。
「傾けると肖像画が浮き出る3Dホログラムが世界で初めて紙幣に採用されている。目的は偽造防止だ」
━━キャッシュレス化が進む中、紙のお金の必要性は?
「実は紙幣の発行枚数自体は日本に限らず世界的にも増えている。海外でもキャッシュレス化は進んでいるが、経済の拡大に伴ってその紙幣が増加している。必要性については極論だが、例えば災害など『何かあった時でもすぐ使える』という利点はあると日本銀行の方も話していた」
(ABEMA︎ NEWS)