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存在するはずない葛飾北斎の幻の作品
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 オランダのライデン国立世界博物館に所蔵されている、葛飾北斎の肉筆画に漂う違和感について、“葛飾北斎博士ちゃん”の目黒龍一郎くん(14歳)が分析する場面があった。

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 『サンドウィッチマン芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系、毎週土曜よる6時56分〜)の新春3時間SPが、1月3日に放送された。番組後半では、“葛飾北斎博士ちゃん”の目黒龍一郎くん(14歳)がオランダとイギリスへ。日本から流出した幻の北斎作品を捜索する企画が展開された。

 「葛飾北斎になること」を夢に掲げ、北斎の習慣を真似て毎朝5時から水墨画を描いている龍一郎くん。そんな龍一郎くんがオランダを訪れた目的は、1823年に来日した軍医・シーボルトが日本の文化に魅了され、持ち帰った収集品が所蔵されているライデン国立世界博物館を訪問することだ。1837年に設立されたライデン国立世界博物館は、世界最古の民族学博物館のひとつ。膨大な日本のコレクションに加え、世界のあらゆる文明の貴重資料が展示されている。

 龍一郎くんが博物館を訪れると、東アジア部門の学芸員を務めるダン・コックさんが出迎えてくれ、非公開の収蔵庫に案内してくれた。なお、同博物館の収蔵庫に入れるのは、とても貴重なことなのだそう。葛飾北斎の専門家も「よほどのキャリアがないと入れない場所。龍一郎くんが中に入る瞬間が歴史的」と話していた。

 龍一郎くんは緊張とワクワクを胸に、いざ収蔵庫へ。中に入ると「すごいですね」「神棚とか色々ある」と目を輝かせた。ここで保管されている約4万点の収蔵品の中でも、龍一郎くんが特に見たかったのが、シーボルトが幕末の日本から密輸したという肉筆画だ。

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 初めにダン・コックさんは、掛け軸の肉筆画を披露してくれた。その掛け軸には、手鏡で自分の顔を眺める着物姿の女性が描かれており、龍一郎くんは「すごい…」「きれい…」とうっとり。そして、しばし作品を鑑賞した後、「落款がありませんね」と口にした。落款とは、完成した作品に作者が入れるサインなどのこと。北斎の肉筆画に必ずと言っていいほど見られる落款が、この作品には存在しないのだ。その理由について龍一郎くんは「北斎の作品だとわかると大変な許可が必要になる」と切り出し、シーボルトが落款を押さないように北斎に頼み込み、北斎作品であることを伏せた状態で密輸したのではないかと分析した。

 次にダン・コックさんが見せてくれたのは、オランダの紙に、西洋風のタッチで描かれた北斎の肉筆画。龍一郎くんは「これはすごいですよ」「見たかったやつだ」と興奮しつつ、「西洋画に影響を受けていると思う。でも違和感がある」と指摘。違和感の正体について「地面に3Dの人形を乗せたような感じに見える。地面に影もないじゃないですか。光がどこからきているかわからず、輪郭に影を意識しすぎた。その結果、違和感のある独特な作品になっていると思います」と分析した。

 この龍一郎くんの解説に加え、ダン・コックさんが「もう1つ重要な点があるんですよ。これは和紙ではなく、オランダの紙に描かれているものです。スベスベしているオランダの紙だからこそ、このような表現ができたという説もありますね」と補足。北斎に頼み、オランダから輸入された光沢のある紙に描いてもらった、貴重な作品なのだという。

 そして最後に龍一郎くんは、この作品が色鮮やかな状態のまま、保管されていることにも注目。「日本の顔料は植物由来のものが多いので、陽に当てると早く色褪せてしまうのですが、そういうのが見られないということは、本当にずっと大切にされてきたのがうかがえますね」と話していた。

 この後、龍一郎くんの旅はイギリス編に突入!大英博物館の収蔵庫への立ち入りを、特別に許された龍一郎くんは、“黒い美術商”と呼ばれた林忠正が北斎作品を売りさばいた証拠や、“あるはずのない”幻の作品を目撃する。それらは一体どのようなものなのか…?

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