勇者パーティーの盾役であるタンクとして、歴代最高の外皮【9999】の数値を持つルードが主人公となる冒険ファンタジーのTVアニメ『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』が、2024年1月6日から放送されている。
ルードは使えないスキルを持っていたという理由でパーティーを追放されてしまうが、故郷へ帰る途中で助けた少女・ルナのスキルによって、使えないスキルではなくタンクとして非常に強力なものだったことが判明する。
どんな願いも叶えるという秘宝を探し出して最愛の妹・マニシアの病気を治すべく、ルードはタンク役としてパーティーや人々を守りながら困難を切り開いていくというストーリーが展開されていく。
そんな主人公・ルード役を演じる声優の笠間淳(かさま じゅん)にインタビューで話を伺うと「僕もMMOPRGをプレイするときのジョブはタンクなんです(笑)」という共通点を明かしてくれた。ルードとの共通点をさらに見出すべく、話を掘り下げていく。
「タンクをなぜやりはじめたのかと言うと、(ルードと同様に)敵のヘイトを集めてパーティーに攻撃がいかないようにする役目が大変で、やりたがる人がそのMMORPG内では少なかったからです(笑)。僕はあえて誰もやりたがらないことにやりがいを感じてタンクをやっているのですが、『最強タンク』の世界でもわりと同じようなことがあるのかなと思っています。タンクって攻撃しないくせにとか、作中で悪く言われることもあるんですよ」
実際に『最強タンク』の原作でも、タンク役の地位が高いとは言えない扱いが描写されている。タンクへの造詣も深い笠間だが、公式サイトにて「この作品は「追放」されたことに対しての「逆襲」の物語ではありません。ルードが周りの人間を支え、そして支えられながら新たな道を切り開いていく「開拓」の物語です」という印象的なコメントを残している。その点について意図を訊いてみた。
「ルードはタンクであることに自分の生きる道を見出していることが、彼自身のパーソナリティに反映されている気がしています。もちろん自分自身のスキルの話もあるとは思うのですが、前線に立って華々しく戦うことではなくみんなを守ることが自分の役目だという想いが、物語の全編を通じて込められている。
原作を読ませていただいたときも、誰かに復讐することが目的でもないし、自分の名を上げることが目的でもない。誰かとともに歩んで支えになりたいし、守っていきたいということを前面に押し出した物語がすごく素敵だと思いました。本当に僕自身共感を持って読み進められる作品だったので、みんなで一緒に開拓していく物語なのだと確信しましたね」
タンク役のルードはもちろん、物語の根幹の部分に笠間自身が共感していることが十二分に伝わってきた。アタッカー役ではなくタンク役が開拓していくという点が本作の面白さの肝になるのでは? と質問を続ける。
笠間は「アタッカーが前線で華々しく戦うヒロイックな作品はたくさんあって、僕がそう思っているだけなのかもしれないのですが……」と前置きしつつ、「華々しく生きるということよりも本当に大切なことは、誰かを支えて守りたいとか、誰かとともに1歩を歩んでいくことなのではと。そういったことのほうが今の世の中を生きているみなさんの心の中にスッと入っていって、受け入れられる側面があるのだと思うと、面白いですよね」と語ってくれた。
誰かを支えて守りながら開拓していく『最強タンク』という物語が、どのような道筋を辿っていくのか、ぜひ注目してほしい。
『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』
ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠にて2024年1月6日より放送中
【公式HP】https://www.saikyo-tank.com/
【X(旧Twitter)】https://x.com/saikyo_tank
(C)木嶋隆太・イマジカインフォス・如月命/SQUARE ENIX・「最強タンクの迷宮攻略」製作委員会
取材・写真・テキスト/kato