3月31日をもって放送作家業から引退することを宣言している鈴木おさむが、篠田麻里子を不倫妻役にキャスティングした理由を明かした。
鈴木おさむが脚本を手がける最後の地上波連続ドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁(およめ)の騙し愛―』が1月20日にスタート。初回放送を控えた15日、テレビ朝日本社にて伊藤淳史、小池徹平、そして鈴木おさむが参加する座談会が開催された。
同作は妻の不倫に気づかぬふりをしながら証拠を日々収集し、“父親が親権を獲得する率はわずか1割”という困難な壁に立ち向かう男の姿を描く物語。妻に不倫された主人公・岡谷渉役は伊藤淳史。渉の「悪嫁」・綾香を篠田麻里子が、その不倫相手・司馬マサト役を小池徹平が演じる。
放送まで厳戒態勢が敷かれ、篠田のキャスティングはシークレットとされてきた同ドラマ。放送前に解禁となったメインビジュアルは、大竹玲二による原作漫画にあるシーンを再現したもの。マサトと綾香が抱き合うソファの下に忍び込んで、二人にバレないようにしながら渉がカメラを回しているという写真だが、篠田扮する綾香の顔は見切れて誰が演じているのか分からないようになっていた。これを受けて鈴木は「主演女優の顔が出てないポスターなんて今まで見たことないよ! CMでも顔隠されてさ!(笑)」と大笑い。前人未到のアプローチに衝撃を受けた様子を見せた。
体を張った過激なシーンや強烈な台詞も多い綾香というキャラクター。篠田をキャスティングした理由について鈴木は「篠田さんが演じたら面白いと思った。綾香と年も近かったし、お子さんもいるし」と話した。オファーをしても断られる可能性も考えていたそうだが、篠田は「快諾してくれた」そうだ。
これまで、自身が手掛けた『奪い合いシリーズ』では、主演を演じた水野美紀の狂気に満ちた演技が話題になり、怪演女優という新境地でブレイク。『M 愛すべき人がいて』でも、強烈なキャラクターを体現した田中みな実が大反響を呼んでいる。
篠田にも、同ドラマをきっかけにして女優として新たな道を開拓してほしい野望を抱いている鈴木。「このドラマで篠田さんに女優さんとして大ブレイクしてほしいと思っていて。世の中の人たちは、AKB48時代の篠田さんのことは知っているじゃないですか。このドラマを見て『篠田さんの芝居いいじゃないか』と思ってもらいたい。篠田さんにオファーした真の理由はそこですね」と語った。
写真:野原誠治