異才・鈴木おさむ引退前最後の地上波連ドラ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁(およめ)の騙し愛―』(テレビ朝日系土曜夜11:30)。その異才ぶりは選曲にも発揮される。鈴木たっての希望で中西保志による不朽の名曲『最後の雨』を、GENERATIONSの数原龍友がカバー。「何故ここで!?」とツッコミを入れたくなる唐突な楽曲挿入タイミングに注目するとともに、もの悲しいメロディと歌詞に耳を傾けてほしい。
妻の不貞現場を目撃した大手新聞社の社会部エース記者・岡谷渉(伊藤淳史)が、愛娘の親権を得るために父親の親権獲得率わずか1割の壁に挑んでいくサレ夫逆襲ブラックコメディ。漫画家・大竹玲二による人気コミック「離婚しない男」をベースに、今年3月限りで放送作家業と文筆業から引退する鈴木が、最後の地上波ドラマとして放送コードギリギリの攻めた表現とテンションで唯一無二の不倫劇を描き出す。
GENERATIONS数原カバーの『最後の雨』が流れ出すのは、隣室で不倫相手とハードな変態セックスを繰り広げる妻・綾香(篠田麻里子)の喘ぎ声を聞き、悲しみ・怒り・嫉妬がMAXに達した渉が自分の前歯を自力で引っこ抜いた次の瞬間。抜けた前歯を手に渉は「歯が、歯が~」と驚いて、不貞の証拠動画を撮ろうとしたスマホを階下に落としてしまう。
『最後の雨』をBGMに、妻との蜜月の日々が走馬灯のように駆け巡る。「最後の雨に濡れないように」という歌詞とリンクするかの如く、妻の喘ぎ声を聞くまいと耳を塞ぐ渉の頭上からは雨が。それまで日差しも照り付けていたのに、急な土砂降りに。
突然流れる『最後の雨』について鈴木は「脚本を書こうとしていたときに、たまたまテレビで中西保志さんが熱唱している姿を見て、この曲が入ったら絶対に面白いと思った。しかも『最後の雨』がかかると視聴率も上がるらしい」と使用経緯を明かす。
鈴木たっての希望で数原のカバー版になったそうだが「今後も雨やシャワー、涙など水に関わるシーンに必ず流れます。視聴者にとっての第一印象は『なぜここで!?』だと思うけれど、回を重ねる事に『どこで?どこで?ここで流れるのか!キター!』となるはず」と『最後の雨』待ちになると予言。放送時のSNSでのトレンド入りにも期待している。