日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、屋敷伸之九段(52)が監督を務めるチーム北海道・東北が、北海道札幌市内で「地域会」パート2を開いた。日頃は正座で盤に向かって頭脳戦に臨む棋士たちだが、この日はチームで力を合わせて巨大雪だるま制作にチャレンジ!普段は見ることのない表情と団結力を発揮していた。
チーム北海道・東北は、札幌市出身の屋敷監督、野月浩貴八段(50)、東京生まれ札幌育ちの広瀬章人九段(37)、福島県喜多方市出身の戸辺誠七段(37)、岩手県釜石市出身の小山怜央四段(30)を出場登録。北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島と広大なエリアを代表して日本一の座を目指す。2度目の地域会の場所に選んだのは、屋敷監督の出身地でもある札幌市。「Boys, be ambitious.(青年よ、大志を抱け)」の言葉を残した“北海道開拓の父”ことクラーク博士の像を前に、激戦が予想される地域対抗戦を見据えていた。
この場所では、体力とチームワークを高めるべく「巨大雪だるま作り」にチャレンジ。チームで最も身長の高い広瀬九段の176cm越えの雪だるまを制作することとなった。雪玉を作ってコロコロ…とオーソドックスな方法に挑んだ戸辺七段だったが、北海道の雪はサラサラのパウダースノーのため、一向に雪玉は大きくならない。ここでは雪質を熟知した野月八段が“雪だるまマイスター”として陣頭指揮を執った。通常の雪だるま作りでは使うことのないビニール袋とバケツの水などの秘密道具も駆使。野月八段のマイスターぶりに、SNS上には「プロだ!」「準備凄っ」とファンから驚きの反応が上げられていた。
見事なチームワークで広瀬九段の身長を超す雪だるまが完成。屋敷監督は晴れやかな表情で「試合も頑張っていきましょう!」と声をかけ、仲間と気持ちを一つに合わせていた。
次は“食”からパワーを得るべく、名物ジンギスカンの店へ。北海道出身の屋敷監督、広瀬九段、野月八段にとっては故郷の味ながら、小山四段は「食べたことがないんですよ」。初めてのジンギスカンに「中からうまみがじわじわと来て、いくらでも食べられそうです!」とすっかりハマった様子だった。
最後は、昨年11月に九段昇段を遂げた広瀬九段の昇段祝賀会へ。会場に詰めかけたファンから盛大な祝福を受けるとともに、チーム北海道・東北にも熱烈な応援パワーをもらっていた。大会初戦では、山崎隆之八段(42)率いるチーム中国・四国と激突。タイトル経験者の糸谷哲郎八段(35)、菅井竜也八段(31)ら強豪・個性派揃いのメンバーが名を連ねているとあり、厳しい戦いになることが予想される。目指すはもちろん頂点だ。屋敷監督は「頑張って優勝目指しましょう」と寒さを吹き飛ばすように熱い闘志を燃やしていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)