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【映像】なぜ、有罪が致命傷になるのか?

 11月のアメリカ大統領選挙に向けて共和党の指名候補者争いが火蓋を切った。23日、初戦に続き2戦目も勝利したトランプ氏の強さは本物なのか? ANNワシントン市局の梶川幸司支局長に聞いた。

【映像】なぜ、有罪が致命傷になるのか?

━━1、2戦目はどのような結果だったのか?

「初戦のアイオワ州ではトランプ氏が圧勝。2戦目のニューハンプシャー州においてもトランプ氏が今や唯一の対抗馬となったニッキー・ヘイリー元国連大使に対して、11ポイントの差をつけて勝利。これを受けてアメリカメディアは『トランプ氏が共和党の大統領候補に選ばれる道がさらに確かなものになった』と伝えている」

━━アイオワ州におけるトランプ氏圧勝の要因は?

「白人が8割を占める保守層が多いアイオワ州でトランプ氏は30ポイント以上の差をつけて圧勝したが、その背景には『組織戦』があった。熱心な支援者を『コーカス・キャプテン』と呼ばれる地区の責任者に指名し、地域ごと確実に投票するように働きかけた。さらには子飼いの議員や他州の高官らを動員し、草の根レベルで活動を展開した。風頼みの選挙ではなく、組織を生かした地道な『地上戦』が圧勝の原因だったのだ」

━━無党派層が多いニューハンプシャー州でも勝てた要因は?

「ニューハンプシャー州は有権者全体の4割以上を無党派が占め、その無党派の人も共和党の予備選で投票できるという仕組みがある。トランプ氏がいくら共和党支持層で圧倒的な支持を得ていたとしても、無党派も参加できる選挙であればヘイリー氏が肉薄するという見方もあり、ヘイリー氏はそのチャンスに賭けていた。出口調査を見ると、無党派はトランプ氏とヘイリー氏に1対2の割合で投票した。トランプ氏は共和党支持層の支持をしっかりと押さえた上で、無党派からも一定の支持を得たとも言える。投票に来た無党派の有権者に話を聞くと『トランプ政権時の暮らしの方が良かった。今は物価が高い』という声や、現在の国境問題・移民問題に対して懸念を抱いている人もいた」

━━この結果をアメリカ国内はどのように受け止めているか?

「これまでは『トランプ氏は無党派の支持を得られず大統領選挙でバイデン大統領に負けるのでは』という懸念が共和党内にあった。ニューハンプシャー州の結果を見ると、確かにヘイリー氏の方がより多くの無党派の支持を集めたが、それでもトランプ氏が一定の差をつけて勝ったわけで、共和党内での地位をより確実にしたと言え、今後、『勝ち馬』心理からトランプ氏を支持する政治家がますます増えそうだ」

━━今回の結果を受け、ヘイリー氏撤退の可能性はあるか?

「2連敗した後もヘイリー氏は前向きなコメントをしていたが、2月24日のサウスカロライナ州の予備選で大敗すれば、3月5日の『スーパーチューズデー』を待たずに撤退に追い込まれる可能性もある。この先ヘイリー氏の戦いは今回よりも次の2028年の選挙を見据えたものになるかもしれない」

━━トランプ氏は裁判を控えているが、影響はあるか?

「トランプ氏は去年3月以降、起訴されるたびに支持率を伸ばしてきた。だが、有罪判決が出るとなると話は別だ。ニューハンプシャー州の予備選の出口調査では、『トランプ氏が有罪になったら大統領にはふさわしくない』と答えた人が44%に上っていることは、トランプ氏にとって不安材料だろう。裁判には莫大な費用がかかり、裁判と選挙活動の両立も大変なので、早く指名レースを決着させて今後に備えたいのが本音だろう」

━━今後の選挙はどのように動くのか?

「バイデン大統領の最大のアキレス腱は81歳という高齢だが、経済も懸念材料だ。経済政策の実績をいくらアピールしても国民に響かないという厳しい現実がある。アメリカは景気後退が起きているわけでもなく、アメリカ経済は統計の上ではとても力強い。だが、食料品など物価は高止まりし、低所得者の生活実感は悪いままだ。バイデン大統領は『インフレを抑え込みながら、景気を維持する』という難題に直面している。最近の世論調査では、共和党の予備選への注目もあってか、トランプ氏がバイデン氏を若干リードしているが、大統領選まで10カ月近くもある。アメリカ人にとってもまさに『未体験ゾーン』、先の見えない展開が続くことになるだろう」

ABEMA倍速ニュース
 

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