最愛の妹であるマニシアの病気を治すため、勇者パーティーの盾役として迷宮攻略に挑んでいた主人公・ルードだったが、使えないスキルを持っているという理不尽な理由で勇者によってパーティーを追放されてしまう。しかし、使えないと言われたスキルが実はタンクにとって強力なスキルだったことが判明。マニシアの待つ故郷から改めて最強タンク・ルードの冒険譚が始まっていく。
現在放送中のTVアニメ『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』(原作:木嶋 隆太・如月命)は、MMOPRGなどで味方を守る役目として知られるタンク役を中心としたファンタジー冒険ものだ。ルードは無愛想な見た目ながら持ち前の優しさとスキルを駆使して、新たなるパーティーで迷宮攻略に挑んでいく。
そんなルード率いるパーティーと対峙するのは、RPGにおけるボスキャラのポジションと言える、迷宮の守護者だ。岡本信彦(おかもと のぶひこ)演じるマリウスと、久野美咲(くの みさき)演じるアモンは、それぞれ強力な能力を駆使してルードたちと相対する。戦いを終えて両キャラはルードのパーティーメンバーとなっていくが、敵として登場して味方側になっていくキャラを演じる上で、どのような点を意識していたのかインタビューでそれぞれに聞いてみた。
一撃必殺の居合いを得意として、無邪気な性格で戦いに快楽を感じるマリウスを演じる上で、岡本は「強大な敵として登場しつつも爽やかな一面があるので、その爽やかさが不敵に見えるように意識して演じさせていただきました。戦いの最中は、戦闘が好きということもあって高揚感や怖さのようなものが出せればいいなと思いながら、掛け合いをしていましたね」と語る。そして、パーティーメンバーとして加入したあとの演じ分けについても続けてくれた。
「怖い戦闘狂というイメージから、作品のコミカル要素を担う1人に急に変わっていくというイメージですね。ルードの恋路を邪魔することのないもう1人の男キャラと言いますか……マスコット的なかわいい男の子担当で、(演出指示も)もっと爽やかに明るくしてくださいと言われることが多かったです」と、敵対しているときとはかなり違った役柄としてシフトしていったことを明かしてくれる。
具体的に声色などをどう演じ分けていったのか深掘りしていくと「(パーティメンバーになったあとは)作画もデフォルメされて描かれることも多く、絵に合わせて声色も調整しています。音響監督からは、マリウスが出てきた最初の話数のアフレコから、出てきた瞬間は落ち着きあるクールな演技をしてもいいけれど、仲間になってからは明るさや爽やかさを全開にしてほしいと言われていました」と語ってくれた。
そんなマリウスが仲間になったのち登場するのが、強力な風魔法を操る迷宮の守護者にして魔王のアモンだ。見た目は可愛らしい少女の姿ながら、実年齢は300歳を超えているという設定も踏まえて、久野に演じる上で意識した点について質問を投げかける。
久野は「原作を読んだら、ルードたちの敵として登場する時のアモンは、妖艶で怪しい雰囲気がありました。アモンは何者なのだろうと思わせるような雰囲気を出せたらいいなと演じさせていただきました。実際のアフレコのときにも本当に余裕な感じで! というディレクションをいただいて。達観したような、何年も生きてきた底知れぬ厳かさも出せればと思っていました」と回答してくれた。
マリウス同様に、仲間になったあとのアモンについては「それまでの怖い雰囲気は忘れて可愛らしい雰囲気を出してほしいと言われました」とのことで、ギャグシーンでの出番も多くなることから誇張した芝居もするようになっていったという。
そこまで登場時から変わっていくのかという驚きもありつつ、話を続けていくと岡本曰く「マリウスもアモンもコロッと変わります。この2人はパーティーに入ったらマスコットキャラになります」とのこと。久野もすぐに同意していた。マリウスとアモンが敵として、そして仲間になってどのような一面を見せていってくれるのか。芝居の変容についても注目しつつ、現在放送中の『最強タンク』を視聴してみてほしい。
『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』
ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠にて2024年1月6日より放送中
【公式HP】https://www.saikyo-tank.com/
【公式X】https://x.com/saikyo_tank
(C)木嶋隆太・イマジカインフォス・如月命/SQUARE ENIX・「最強タンクの迷宮攻略」製作委員会
取材・写真・テキスト/kato