4オクターブの歌声を持つ歌手のKIMIKA(29)が、オーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』の準決勝で美空ひばりの「愛燦燦」を熱唱。悔しい結果となった前回のステージを払拭する、見事なパフォーマンスを披露し、元宝塚歌劇団員で俳優・タレントの遼河はるひが感動の涙を流す場面もあった。
日韓共同で新たな歌姫を発掘するオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』#9が、2月9日(金)夜6時よりABEMAにて放送された。
『トロット・ガールズ・ジャパン』とは
『トロット・ガールズ・ジャパン』は、韓国で絶大な人気を誇る音楽ジャンル「トロット」をテーマに、新たな日本の歌姫を発掘する国内初のオーディション番組。「トロット」は日本で言う“懐メロ“のイメージに近く、オーディションの出場者たちは昭和から平成にかけての名曲を歌唱する。出場者の年齢は12歳から50歳までと幅広く、事前審査を通過した54組57名が予選に参加。優勝を勝ち取った者には賞金1000万円(+追加賞金)が授与される。
準決勝まで勝ち進んだのは、14人の出場者たち。今回は美空ひばり、越路吹雪、テレサ・テン、山口百恵の名曲を、自分のスタイルで歌い上げる個人戦が行われた。採点は、審査員(審査員長代理の船山基紀のみ40点満点、ほか1人20点満点)と一般審査員(1人1点)が担当。点数の高い上位5人が決勝戦に進出することができる。
「ステージに立つのが怖い」トラウマを抱え迎えた本番
4オクターブの歌声と確かな歌唱力を武器に、準決勝まで勝ち進んできたKIMIKA。しかし、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。前回、リーダーとしてチームの命運を背負って挑んだ「大将戦」で、KIMIKAは笛のように聞こえるハイトーンボイス「ホイッスルボイス」を披露した。唯一無二の特技で会場を感動に包んだものの、本人にとって納得のいく出来とはならず、悔しい結果に。KIMIKA自身は一般審査員の投票により、準決勝進出を果たしたものの、チームの得点は合格ラインに届かず、審査員合議で選ばれなかったチームメイトたちは脱落となってしまった。
準決勝のステージに立ったKIMIKAは「前回、大失敗しちゃって」と切り出し、「それがトラウマになって、このスタジオに来るのも練習中も怖くて、足がすくんじゃう時もあった」とメンタル面へのダメージを告白。ちなみに準決勝1週間前の練習時にもKIMIKAは「どう歌おうかめっちゃ迷いますね。難しい歌だから。前回のトラウマがまだ残っているので」「正直今もちょっと、ステージに立つのが怖いですね」などと話しており、心に負った傷の大きさがうかがえた。しかし、脱落したメンバーのためにも、ここで負けるわけにはいかない。「前回のメンバーの気持ちを背負って、私はここに立たせていただいているので、しっかりと次の曲を歌いたいなと思っています」と自らを奮い立たせた。
遼河はるひ「心に響きまくった」審査員の立場で初の涙
歌唱曲は、美空ひばりの「愛燦燦」。イントロが流れる中、KIMIKAはステージの中央で宙を見上げた後、少しだけ微笑むと、透き通った歌声を響かせ、美しい日本語で綴られた同曲の歌詞を丁寧に、そしてドラマチックに届けていった。間奏部分ではスキャットを取り入れ、得意とする高音を披露。曲の世界観を正確に捉えながらも、KIMIKAらしい魅力や多彩な表現力が、随所に光るステージとなっていた。
審査員を務めた遼河はるひは、歌唱中、唇を震わせて涙を流す様子も。一度あふれ出した涙は、その後も止まることなく、終盤に差し掛かるとさらに感極まった表情に。最後は笑顔で拍手を送り、KIMIKAのパフォーマンスに満点となる20点をつけた。採点後にコメントを求められると、遼河は「審査をする時は一歩引いて聴いているので、これまで泣いたことなかったんですけど」と、審査員という立場で泣いたのは初めてだと告白。さらに、歌唱前にKIMIKAが宙を見上げた瞬間から「入り込んでしまって、すごく心に響きまくって」と振り返り、「若い方にも昭和歌謡が新しい形で響いて、伝えられていきそうだなっていう想いものせて20点にしました」と満点をつけた理由を説明した。
その他の審査員からも高評価を受け、KIMIKAの合計得点は178点(一般審査員の点数は未加算)に。14人中8人がパフォーマンスを終えた今回の放送で、暫定4位となった。