肺がんの父を勇気づけたいという想いを胸に、オーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』に挑むnatsuco（33）が、準決勝で越路吹雪の「愛の讃歌」を熱唱。審査員から「感激した」との声も上がり、高得点を獲得した。
【映像】歌い出しから鳥肌！「愛の讃歌」を歌う33歳女性（19分頃～）
日韓共同で新たな歌姫を発掘するオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』＃9が、2月9日（金）夜6時よりABEMAにて放送された。
『トロット・ガールズ・ジャパン』とは
『トロット・ガールズ・ジャパン』は、韓国で絶大な人気を誇る音楽ジャンル「トロット」をテーマに、新たな日本の歌姫を発掘する国内初のオーディション番組。「トロット」は日本で言う“懐メロ“のイメージに近く、オーディションの出場者たちは昭和から平成にかけての名曲を歌唱する。出場者の年齢は12歳から50歳までと幅広く、事前審査を通過した54組57名が予選に参加。優勝を勝ち取った者には賞金1000万円（＋追加賞金）が授与される。
準決勝まで勝ち進んだのは、14人の出場者たち。今回は美空ひばり、越路吹雪、テレサ・テン、山口百恵の名曲を、自分のスタイルで歌い上げる個人戦が行われた。採点は、審査員（審査員長代理の船山基紀のみ40点満点、ほか1人20点満点）と一般審査員（1人1点）が担当。点数の高い上位5人が決勝戦に進出することができる。
「父と母の絆をイメージ」家族への想いがこもった感動的なステージに
6歳から地域の合唱団に所属し、歌い始めたnatsucoが、歌手になる夢を抱いたのは中学1年生のとき。大学時代にはアカペラサークルに入り、卒業後も当時の仲間と音楽活動を続けてきたが、そんななか父親に肺がんが発覚。「歌手になった晴れ姿を父に見せ、勇気づけたい」と本オーディションへの参加を決意した。
未経験だったダンスにも挑戦し、ついに手に入れた準決勝の切符。本番を1週間前に控えるなか、natsucoは「お父さんは本当に寡黙で、イエスかノーみたいな男なんです。でも（オーディション）頑張ってね、とかは言ってくれます」と父親も応援してくれていることを明かし、「少しでも前向きな気持ちになってくれたらいいなと思っています」と吐露。さらに、準決勝のステージで越路吹雪の名曲「愛の讃歌」を歌唱するにあたり、「今私がここにいるのも父と母のおかげ。2人を見ていると、私もいつかこういう風に人を愛せる存在になりたいと思う瞬間がたくさんある。父と母を思いながら歌えたらいいなと思っています」と語った。
ステージ本番では、冒頭から表現力の高さを見せつけ、情感豊かに熱唱。中盤でマイクをスタンドから外して手に持つと、さらにドラマチックに、情熱的に歌い上げた。最後は圧倒的な声量を会場に響かせ、スペシャル審査員として登場した、本家トロットオーディションの生みの親でプロデューサーのソ・ヘジンも「ワオ」と驚きの表情。ほかの出場者から「鳥肌立った」との声も上がっていた。
歌唱終了後、natsucoは「父が病気になってから、父と母の見えない絆みたいなものをすごく感じていて、そういったことをイメージしながら大切に歌えたかなと思っています」とやりきった表情でコメント。両親の絆を思い歌った、心のこもったパフォーマンスは、審査員からも高く評価され、183点(一般審査員の点数は未加算)という結果に。14人中8人が歌唱を終えた今回の放送で、natsucoは暫定3位となった。
審査員長代理を務めた、作編曲家・船山基紀は40点満点中39点をつけ、「もうすごい感激しちゃったんですよ」と熱弁。最後に歌声が「よれた」部分があり、「惜しかった」と指摘しながらも「あえて私は厳しく39点をつけたんですが、実際は40点」と満点に近いパフォーマンスだったと賞賛していた。
