日本人には馴染みのない「一妻多夫」という制度。ヒマラヤの秘境に根付いた理由が語られる一幕があった。
テレビ朝日にて毎週日曜朝11時より放送されている『ナスD大冒険TV』(※一部地域を除く)。2月25日の放送回では、「登山家の料理人 カンツァさんのお料理手帖〜第九巻〜」が届けられた。これはナスDが天空のヒマラヤ部族を取材した際に、カンツァさんが作った絶品料理のレシピをまとめたもの。なお、ABEMAでは「アベマオリジナル」と題したノーカット版が配信されている。
ドルポの最奥・ティンギュー集落に到着したナスD一行は、ティンギュー集落出身の案内人・ヌルブ・グルンさんの自宅に招かれた。ご家族が温かく迎え入れてくれたが、ヌルブさんは日本では馴染みのない一妻多夫という家庭で、実の弟と同じ奥さんだという。
ヌルブさんは63歳で弟は51歳だそうだ。ドルポで一妻多夫の文化が根付いた理由とはーー?
それは、家族が分かれる「分家」を避けるためだそうだ。耕作地の少ない、この地では、父親の土地を息子たちで分け合ってしまうと、その面積は狭まってしまう。家も家族も増やさない、一妻多夫の形式をとれば、耕地はそのまま分け合えるシステムになる。
ちなみに一妻多夫はお見合いが基本で、まず「長男のための妻」が選ばれ、その後に「弟たち」にもこの妻の夫となる機会が与えられる。ナスDが「ヌルブさんは弟さんに嫉妬したりしないんですか?」とストレートに聞くと、ヌルブさんは「それはないよ。ここでは普通の事だからね」と笑顔で答えた。
普段、奥さんは近くで暮らすヌルブさんと弟さんの家を行き来している。夫の間に嫉妬心はなく、子供も父親が誰かはさほど気にしないのだという。自分の父親もおじさんも全員「お父さん」と呼ぶそうだ。そして一妻多夫は家畜の世話、畑仕事など、兄弟間で「労働の分担」を円滑に行えるメリットや、女性にとって夫が亡くなった時の保険にもなっているようだ。
この情報に視聴者は驚き、「一妻多夫、珍しいね」「一妻多夫ってすごい文化だ…!」「1人の妻に2人の夫。面白いですね」などの声をX(Twitter)に寄せていた。
(ABEMA『ナスD大冒険TV』より)