29歳の元アイドル・福田未来が、オーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』の決勝で、審査員を務める歌手・松崎しげるの「私の歌」を歌唱。夢を諦めるべきか、悩みもがいてきた福田に待っていたのは、これまでの努力が報われる最高の結末だった。
【映像】アイドルグループの中心メンバーだった時代(1時間9分頃~)
日韓共同で新たな歌姫を発掘するオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』の最終回となる#11が、2月23日(金)にABEMAにて生放送された。
『トロット・ガールズ・ジャパン』とは
『トロット・ガールズ・ジャパン』は、韓国で絶大な人気を誇る音楽ジャンル「トロット」をテーマに、新たな日本の歌姫を発掘する国内初のオーディション番組。「トロット」は日本で言う“懐メロ“のイメージに近く、オーディションの出場者たちは昭和から平成にかけての名曲を歌唱する。出場者の年齢は12歳から50歳までと幅広く、事前審査を通過した54組57名が予選に参加。優勝を勝ち取った者には賞金1300万円が授与される。
決勝に進んだ9人の出場者は、A、B、Cの3ブロックに分かれてパフォーマンスを披露した。10人の審査員は1人最大20点、合計200点満点で採点。70人の一般審査員はパフォーマンスが良いと思ったら投票し、得票数に応じて点数が加算された。さらに視聴者投票による点数も加え、ブロックごとに順位を決定。各ブロックの1位3人がファイナルジャッジに進出し、審査員と一般審査員による投票で、優勝者を選出した。
松崎しげるら審査員が大絶賛!悲願の優勝に涙
福田がセンターを務めていたアイドルグループは、5年前に解散。30歳を目前に控えるなか、夢を追い続けて良いものか、悩んだ時期もあったという。「このオーディションが駄目だったら普通に就職したほうがいいかも」。これが最後と覚悟を決め、臨んだ本オーディションで才能が開花した。予選で厳しい現実を突きつけられたことで、かえって福田のハートに火がつき、敗者復活を果たすと、MVPを獲得するほど急成長。「福田さんの肩に音楽の神様がとまっていましたよ」と絶賛する審査員もいた。
オーディションが始まった直後のインタビューでは、弱気な発言も見られた福田だが、決勝の切符を手に入れ、その心は自信で満ちていた。家族に決勝進出を報告した際には「落ちたことも含めて、すべての経験が自信につながっています」と語り、「1人1人の心に届くような歌を歌いたいなと思います」と意気込んだ。
そして、決勝Bブロックの3人目としてステージに立った福田は、確かな技術力と表現力を改めて示し、感動的なパフォーマンスを披露。歌唱曲「私の歌」は、審査員長を務める松崎しげるの持ち歌だが、本人を目の前に堂々と歌い上げ、曲の最後には圧倒的な声量でロングトーンを響かせた。
歌い終わると、審査員からスタンディングオベーションが起こり、拍手喝采。福田の目にはみるみる涙があふれ、「本当に私が今出せるすべての気持ちを込めて、全力で歌えたと思います。音楽を諦めようと思っていたことがあるから、本当に諦めないで良かったなと思いました」と泣きじゃくりながら語った。審査員の点数が発表されると、MCを務めたお笑いコンビ・EXITの2人は「とんでもないことになりました」「これは素晴らしい」と大興奮。197点という高得点に、多くの審査員が再び立ち上がり、拍手を送った。
20代の頃に「私の歌」を歌ったという松崎は、福田の歌唱に20点満点をつけ、「爆発的なものをすごく感じました」と高評価。さらに「僕もああいう風に歌わなくちゃいけないなと教わりました」と最大級の賛辞を贈った。そのほかの審査員からも絶賛が相次ぎ、元宝塚歌劇団員の姿月あさとは「この半年間の成長の変化がすさまじくて、本当に素晴らしかったです」と成長を称え、作編曲家・船山基紀は「もちろん歌唱力素晴らしいんだけど、歌唱力の先に、福田さんの歌があるんですよ。すごい感激しました」と褒めちぎった。
その後、一般審査員と視聴者応援投票の点数が加算され、福田の最終的な得点は216点に。ほかにBブロックで歌唱したMAKOTO.は203点、住田愛子は201点という結果になり、福田がトップに立った。こうして福田はBブロック代表として、ファイナルジャッジに進むことに。ファイナルジャッジでは、審査員10人中8人が福田に投票したほか、一般審査員からも福田が最多票を集め、優勝が決定。福田は再び号泣し、「本当に家族とか、みんなすごく応援してくれていたから、恩返しができたと思います。諦めないで良かったです」と声を震わせながら、喜びを噛み締めていた。