国民民主党は衆議院東京15区の補欠選挙において、新人・高橋茉莉氏(27)の公認内定を取り消した。その理由については、高橋氏自身がSNSで発言したような「ラウンジ勤務」にはないとしている。
【映像】SNSで涙ながらに訴える高橋茉莉氏
高橋氏は父親の会社の倒産という過去を経ながらもミス慶應・ミス日本出場をきっかけに大学在学中にアナウンサーを経験。その後は外資系ITコンサルティング会社で勤務するなど華々しい経歴の持ち主だ。
そんな高橋氏は25日、自身のSNSにて「自身のセクシャリティー、生い立ち、すべてを党にご相談したうえ、『体調不良を理由に辞退しろ』と指示を受けました」と発言(現在は削除)。夜の飲食店で接客を行うラウンジ嬢をしていた過去が党に問題視され、出馬の断念を求められたと主張し物議を醸した。
これを受け、26日に国民民主党は会見を開き「ラウンジ勤務の過去が公認取り消しの理由ではない」と高橋氏の主張を真っ向から否定した上で、「ご本人の過去の行為の中において、党としては看過できない法令違反に該当する可能性があると我々は判断した」と説明した。
SNSでは高橋氏のライブ配信での発言から「ラウンジ勤務での収入を申告せずに生活保護を受給していたとしたら不正受給に当たるのでは」と指摘されていたが高橋氏はこれを否定している。
「法令違反に該当する可能性がある行為」とはなんだったのか? 国民民主党はすでに私人となった高橋氏のプライバシーに関わるとして、その内容を明らかにしていない。
国民民主党による高橋氏の公認取り消しについて、東京工業大学の西田亮介准教授は「公認取り消し自体はよくあることだ。特に最近はSNS上での発言が政党のレピュテーション(評判・風評)リスクにつながりやすいことから政党も注視している」と述べた。
公認を出す前に入念な“身体検査”はできないのだろうか? 西田准教授は「“身体検査”を念入りにできるかどうかは“政党としての調査力”と関係する。実際のところ、自民党やいくつかの政党を除く“調査力のない組織”では十分に調べられないことも珍しくない。また最近よく使われる候補者『公募』の際にも、事前にどんな人が出てくるかが分からず、十分に候補者の素性を調べ上げられないことが起こり得る」と説明した。
また、「法令違反の具体的な中身」について明言しなかった国民民主党の会見については「多くの方が『スッキリしない』という印象を持ったと思うが、個人的にはとても紳士的な対応だったと思う。なぜなら本人の発言の真偽がはっきりしない点について、スティグマやラベリングになることに配慮したと思われるが具体的に言及することなく、『私人になったため、これ以上は追及しない』というスタンスを貫いたからだ。おそらく、全て話してしまった方が国民からの同党の評判は良くなったはずだが、おそらく(元)候補者の将来を考えてあえてその道を選ばなかったように見えた」と述べた。
衆議院東京15区の補欠選挙には日本維新の会が新人の金沢結衣氏を、共産党も新人の小堤東氏を擁立すると発表している他、自民党や立憲民主党も候補者の擁立を検討している。
(『ABEMAヒルズ』より)
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