昨今の容疑者確保のニュースを受け、「重要指名手配犯」に関する情報提供が相次いでいる。宮内雄大容疑者(48)も、そのひとりだ。
【映像】防犯カメラが捉えた宮内容疑者の様子
宮内容疑者は2013年2月、山梨市内の住宅に侵入し、1万円を盗んだ容疑で現行犯逮捕された。侵入に気づいた住人に暴行し、ケガを負わせたとされる。しかし警察署に連行される際に、警察官を振り切り、裸足で逃走し、いまだ行方がわかっていない。山梨県警は変装イメージ画像などを公開しているが、これまでの11年間で情報提供は約500件。2023年は1年間で34件だったが、桐島聡容疑者の報道をきっかけに、2024年に入ってすでに17件寄せられているという。
被害者はいまも、強い不安と向き合っている。窃盗被害にあった住民夫妻が「あまり当時のことを思い出したくない」としながらも取材に応じた。夫は「やっぱり怖い。家族みんなで取り押さえたが、後で考えれば『刃物持ってなくて良かったな』と。人生初めて経験したが、殺されるか殺すかのような感じ」と当時の状況を語る。
事件は2013年2月23日午前3時ごろ、寝静まった家で起きた。宮内容疑者の侵入に、息子が気づき、飛びかかって抑え込もうとした際に殴られた。その後、家族3人で押さえ込み、4時30分ごろ警察が現行犯逮捕し、署に連行した。しかし現場検証していた警察の無線から、驚きの声が漏れてくる。夫はその時の様子を「逃げられたっていう無線が、警察官同士で……」と振り返る。宮内容疑者は日下部署でパトカーから降りた直後に、警察官を振り切り逃走。その際、手錠はかけられていなかった。裸足で逃走した宮内容疑者は、警察署内のフェンスを乗り越え、およそ3メートルの高さを飛び降りたという。
被害者である妻は「絶対、復讐にくると思って…それが怖い。犯人を捕まえたら絶対に逃がさないのが(警察の)仕事だから、すぐ捕まると思った」と不安を語り、夫も「名前も顔もわかっているから、すぐ捕まると思った」とうなずく。
元徳島県警警部の秋山博康氏は、逮捕や連行は通常、数人の警察官で行い、手錠は必ずしも必要ではないと説明する。
「田舎だったら7人で一晩ぐらいの署だと思う。被疑者から目を離さないというのは鉄則。だらしない、基本ができていない。警察官の油断。ぼーっとしていて、『まさか逃げたりしない』という油断」(秋山博康氏)
逃走後、警察は緊急配備するも、発見には至らず。事件から5日後になって、宮内容疑者は車を盗み、約72キロ離れた長野県松川町で単独事故を起こしていたとわかった。
「宮内容疑者は長野県出身。逃走犯は地理に詳しい方向へ逃走する。その道をいち早く検問するなどすべきだった」(秋山博康氏)
車に残されたレシートによると、事件翌日にはすでに、70キロ離れた長野県駒ヶ根市のコンビニに立ち寄っていた。防犯カメラには、逃走時とは異なる服装で、青いダウンジャケットに身を包んだ宮内容疑者の姿が。この映像を最後に、11年にわたり足取りがつかめていない。
「(自首すれば)こちらも楽になるし、向こうも楽になるし、お巡りさんも楽になる。みんなが楽になる」(被害者である夫)
宮内容疑者の情報は、日下部署(0120-114-087)が提供を求めている。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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