鈴木宗男参院議員が24日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演。ロシアのプーチン大統領と日本との関係について、橋下徹氏と議論を交わした。
鈴木氏は「プーチンさんが大統領になって初めて会った外国の政治家が私だ」とし、当時を振り返る。
「プーチンさんが大統領に初当選したのが2000年3月26日。私はその前年のAPECで、小渕政権時の官房副長官として会っている。当時、キルギスで日本人技師4人が拉致されていて、“この件をまず聞かなければ”という頭で行ったのだが、プーチンさんのほうから“4人は元気だ”“どこにいるかも、テロリストも把握している”“日本に協力する”と、外交カードに使える話をオープンに言ってくれた。
翌年プーチン大統領になって初めて会う時、私は今で言う選対委員長。格が違うので、一生懸命話してもふんぞり返っている。その中で閃いたのが、会談が1年半前の小渕・エリツィン会談と同じ場所だったこと。まさに生死をさまよっている小渕さんの応援があったと思っていて、大統領に『小渕さんの再起はない。それでもあえて私は特使で来ている。そして、次期森総理が一番先にロシアを訪問してあなたに会いたいと言っている。何とか日程を取り付けてくれ』と言い、涙がポトッと落ちた。すると、ふんぞり返っていたプーチン大統領が前かがみになって、手帳を出して『4月29日、サンクトペテルブルクでお迎えしましょう』と。これが2人の関係のスタートになる。プーチン大統領は人情家だ」
また、その森喜朗元総理について、「2人の関係はたった1年。ところが、安倍総理がプーチン大統領と会った時、『ヨシ(森元総理)は元気か』というのが最初の挨拶だったと。いかに馬が合ったかということだ。森さんは日本での評判は悪いが、外国の人らには非常に人気がある。フランスのシラク大統領もそうだった」と人柄を語った。
橋下氏は「僕が大阪府知事の時、全国高校ラグビーで知事挨拶に行ったときに森さんも来られていた。『橋下さん。これ特別なキーホルダー、あげるから』と渡されて、来賓室に行ったらみんな持っている(笑)。森さんと直に接してファンになる方は多い。逆に敵対視する人もいるけど、政治家はそういうものなのかなとも思う」と話す。
一方、プーチン大統領については、「G7はじめG7+1の場で、世界の首脳が議論で負けてしまうと。それぐらい論理的だというふうに聞いている。プーチン大統領の考え方に反対するところはたくさんあるが、一国の大統領としてものすごく勉強している。オリバー・ストーン監督が単独インタビューしているのだが、何も読まずに歴史から何からをどんどん答えていて、日本の政治家にはなかなかあの受け答えはできない。そういうリーダーとしての凄みは安倍元総理も言われていた」とした。
2人の話は北方領土問題へと展開。プーチン大統領は2018年9月にロシアのウラジオストクで行われた「東洋経済フォーラム」で、「平和条約を結ぼう。今ではなく年内に、前提条件なしで」と突如提案したが、橋下氏は「あそこで安倍さんは“よし、じゃあ結ぼう”と、領土問題は後で調整すると言えなかったのだろうか」と投げかける。
これに鈴木氏は「その3時間後、柔道を見学に行く前に会談したのだが、安倍さんは見事だった。『先ほど大統領が“何の前提条件もなく”と言ったが、領土問題を解決して初めて平和条約。わかってますね“と念を押した。これにプーチン大統領もにっこり笑って『十分承知している』と。絶妙な信頼関係はあった」と明かした。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)