自民党の裏金問題。岸田総理は来週にも、安倍派幹部らを処分する手続きを進める方針を示した。永田町では、処分発表後の衆議院解散・総選挙というシナリオも囁かれている。
【映像】「覚悟がない」ひろゆきの指摘に立憲&維新の若手議員の回答は
そんな中、今改めて注目されているのが野党共闘だ。しかし、立憲民主党の岡田幹事長は「今、選挙協力ができるとは思っていないし、維新もそれは完全に否定している。ギブアンドテイクの原則で、ギリギリの候補者の調整という余地は残しておきたい」、日本維新の会の馬場代表は「野球で言えば、日本シリーズで自民党と戦うために、立憲とクライマックスシリーズを戦っている。安易な選挙協力は想定をしていない」と述べている。
立憲民主党と日本維新の会は手を組めないのか。『ABEMA Prime』で両党の若手議員を招き議論した。
■堀潤「この数年は“野党共闘”ばかりで旗がない」
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「結局のところ、政党の名前がないと選挙で受からない人たちは上に従うしかない。ふわっとしたきれいごとを言って、なんとなく好かれて終わりという状況だと思う。本気で政権を取ろうと思ったら、お互いに“この部分は組める”という具体を探そうとするはずだ。そこまでしていない現状なのかと思う」と述べる。
ジャーナリストの堀潤氏は「同意だ。政権交代した時の民主党のパワーは、“新しい公共”など集まりやすい旗が立っていた。しかし、この数年は“野党共闘”ばかりで、それぞれ何を分担してできるのかがよくわからないし、内閣のビジョンも示せない。そこは、維新はまだわかりやすいと思う。立憲が厳しいのは、自民党が国民政党で左から右までやる中で、お互いに“民主党”で対立軸が作りづらいのではないか」との見方を示す。
立憲民主党の山岸一生衆院議員は「2月に今年の党方針を決めた時、“次の選挙ではそこそこ勝って、次の次の選挙で政権交代だ”と読めるような方針だったので、おかしいだろうと声をあげた。そうしたら実際変わったわけで、我々若手もリスクを取って言っている。トップダウンの維新に対して、立憲の特徴はボトムアップだ。地域の声を丁寧に拾って、多様な声を形にしている。それを丁寧にやっていくことが僕らの課題だと思う」と述べる。
日本維新の会の金村りゅうな衆院議員は「自民党に対峙する大きな政党を作ろうとするとどうしても似通ってくる。実は自民党を打破したら何もかもがハッピーになるわけではなく、いわゆる新55年体制と言われるような政治構造を変えないといけない。そのためには、新しいポジションから新しいアプローチで政界を走っていく必要があるという意味で、維新が今必要とされている存在なのではないか」との受け止めを語った。
ひろゆき氏は「過半数に対する国民の支持が得られないというのは、民主党はもう何年もやってわかったわけだ。(両党とも)やらない言い訳を一生懸命しているのが、与党を取る気はないという証明を自らしていると思う」と指摘する。
堀氏は「民主党系の議員に『選挙に出ないか?』と何回も誘われた。お金がないので出ないと返すと、必ず言われるのは『お金は党が用意するから心配しないでいい』だ。党費があるから政治活動ができると。しかし、維新の場合は『金は自分で工面しろ』で、そのあたりのプロセスが全然違う。立憲こそ『金の面倒は見ない』ぐらいの変革をしないと、裏金を工面して、金を配って選挙活動をする自民党と本質的にはあまり変わらない」と苦言を呈する。
山岸氏は「立憲民主党が叩かれているのは八方美人感だと思う」と分析する。「今日は維新に頭を下げました、次の週は共産党と握手しましたと、こういう姿なのかなと。ただ、組むとかくっつくと言った瞬間に“結局数合わせか”“また野合か”という話に先祖返りしかねないので、政治腐敗を正すためにベストを尽くすしかない」。
金村氏は「基本政策が一致しないとか、アライアンスが難しいというのは一理ある。ただ、自民党に合わせてサイズ感を大きくした政党が政権交代を言う時代は終わったのではないかと思っている。この政治が古いんだということを徹底して言いたい」と述べた。
■ひろゆき「一人ひとりの覚悟が足りないのでは」
立憲は「自民党を超える第一党となる」、維新は「与党過半数割れに追い込む」と次期衆院選に向け目標を示しているが、ひろゆき氏は「一人ひとりの覚悟が足りないのでは」と投げかける。
「選挙が終わって自公で過半数を取っていなかった時、首班指名で誰の名前を書くのか。“方針も全然別だけど、総理が自民党じゃなければ変わるかもしれない”というチャンスで、お互いが覚悟をかけて自身の党首ではない人を指名できるのか? お二人の話を聞いていると絶対やらないなと思う」
これに山岸氏は「“第2自民党”と馬場さんがおっしゃっている限り、自民と維新で連立を組む可能性もあるかもしれず、それは認められない。騙されては意味がないので、政権をとれるために一番いい首班指名をする。それに尽きる」と応じる。
金村氏は「何かを前提にして選挙を戦うというのは、今の国政政党の状況では少なくともあり得ないと自覚している。選挙結果によっていろいろな出来事があるので、その時に真摯に向き合って考えるということだ」と答えた。
堀氏は「ここに自民の議員がいたら、『仮定の質問には答えられない』の一言で終わりだろう。そのしたたかさなのかなとも思ったりもする。お二人がすごく誠実に答えてくださった一方で、その答えがはっきりしていないと、有権者サイドとしては迷う感じになってしまう」とした。(『ABEMA Prime』より)
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