演出・植木豪がキャストの素顔を語る【『ヒプステ』インタビュー】

※本記事は公演の内容に触れていますので、観劇前の方はご注意ください。

【写真・画像】演出・植木豪が明かす、『ヒプステ』キャストたちの、『ヒプマイ』への絶大なリスペクト　1枚目

　4月4日から始まる大阪公演へ向けて、さらに勢いを増す舞台「『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter-」。6ディビジョン18人が揃う本作のキャスト陣について「みんな真面目」と語る演出・植木豪に、そんな彼らの素顔について教えてもらった。

【配信】＜大千秋楽＞ヒプステ -New Encounter-

――新たに動き出した「-New Encounter-」ですが、キャストの皆さんの雰囲気はいかがですか？

植木豪（以下、植木）：すごくいいです。座長の凌雅くん（山田一郎役・石川凌雅）はとにかく真っ直ぐな性格で、本番前の気合い入れで毎日「みんなで頑張っていきましょう！」と声がけしています。ディビジョンごとに3人で話し合ったことを僕のところに持ってきてくれるなど、自主的に動こうとしていることをすごく感じますね。

――カンパニー内でムードメーカーを担っている方は？

植木：ムードメーカーは、いつも“D.D.B”（ディビジョン･ダンス･バトル）なんですよ。それは最初の公演からずっと同じで。どんなにしんどい日でも、必ずマックスの状態でパフォーマンスしてくる彼らの姿を見て、キャストたちも「俺らもやらなきゃ！」と気合いが入っているようです。どんな時でも、いつもすごい技を見せてくれるのが“D.D.B”。だからカンパニーを引っ張ってくれているのは“D.D.B”だと僕はずっと思っています。

　あと、キャストで言うと天国獄役の中塚皓平くん。彼はだいぶ年上でお兄さんなので、「ここってこれで合ってますか？」とか「あそこみんな合ってないんですけど、どうしたらいいですかね」みたいな相談をよくしてくれます。

――そんなキャストの皆さんですが、ディビジョンごとにはどんな特徴がありますか？

植木：イケブクロは、本当の兄弟みたいですね。一郎役の凌雅くんが、お兄ちゃんとして「もう１回やろう」って2人を端っこに連れてって、みんなでこうやろう、ああやろうみたいなのをずっと繰り返してますね。

　ヨコハマは今回スタイリッシュな３人で、かなりパフォーマンスに特化したチームになっているなと感じます。碧棺左馬刻役の卓也くん（植原卓也）のことは、彼が小学生ぐらいから知っているんですが、こういう現場で会ったのは初めてなので「違和感がある」と言っていました。僕が真面目にやっているのが、違和感があるそうで（笑）。

――植木さんの普段の顔を知っていらっしゃるから逆に、という感じでしょうか。続いてシブヤのメンバーはいかがでしょう。

植木：シブヤはすごい真面目な3人です。飴村乱数役の三井くん（三井淳平）は、脚本や演出の内容についてなど、いろいろなことを質問してくれるので一緒に話し合いました。夢野幻太郎役の今井くん（今井俊斗）は、ここはこうしてねと伝えた次の日には必ず修正して持ってきてくれます。有栖川帝統役の木津谷くん（木津谷泰勇）は、本読みで思ったようにいかなくて悩んだこともあったようですが、その後どんどん成長していきました。本当に真面目な3人。

　シンジュクはいつも芝居について話し合っています。「僕らこんな風に修正してみたんで、次見てください！」って言って、自分たちで考えたことをどんどん持ってきてくれる。多分、神宮寺寂雷役の亜廉くん（小波津亜廉）がまとめていると思うんですけれど、みんな個々でも芝居案をすごく出してくるチームです。彼らきっかけで、稽古場の芝居が活気づく日もたくさんありました。

　オオサカはなんかいい意味でずーっと話し合ってますね。稽古に入る時、僕は最初にダンスを作ってしまってそこにあとから役者陣が入るという方法をとっているんですが、天谷奴零役の喜史川くん（喜史川大私）は稽古の初日から最終日まで、自分の稽古がない日も全部来て、隅っこで永遠に練習していました。この作品にかける想いが伝わりましたね。そんな喜史川くんの姿に、他の2人も感化されている気がします。

――ナゴヤの皆さんはいかがでしょうか？

植木：ナゴヤはさっき言ったように中塚くんがみんなをまとめています。四十物十四役の酒寄くん（酒寄楓太）はすごくかわいい子でずっとニコニコしていて、波羅夷空却役の中西くん（中西智也）はずっと練習している。今回はやっぱりゼロからのスタートだったので、僕も含めてみんな必死なんですよね。稽古場でのおもしろ話がないぐらい、みんなどこかしらで練習したり芝居の話をしたりしている。とにかく必死な毎日でした。