※本記事は公演の内容に触れていますので、観劇前の方はご注意ください。
6ディビジョン18名のキャラクターが登場する新作公演、舞台「『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter-」。4月7日には大阪大千秋楽の生配信も決定し、ますます注目は集まるばかり。そんな本作の観て欲しいポイント、さらにはライブパートの稽古場での裏話などを演出・植木豪が語った。
【配信】＜大千秋楽＞ヒプステ -New Encounter-
――今回は6ディビジョン18名のキャラクターが登場することになりますが、ラップもたくさん楽しめそうですね。
植木豪（以下、植木）：そうですね。「-Division Rap Battle-」と掲げている作品ですし、僕は『ヒプステ』をラップのミュージカルと捉えています。ミュージカルって歌う前と歌う後では必ず（人物の）心境に変化があるじゃないですか。それと同じく、『ヒプステ』ではラップをした前と後で何かが変わる。そういった意味でもラップシーンはすごく大事にしてます。
――今作でも、本編の後にライブパートがあるというような構成になっているのでしょうか？
植木：本編で集まったディビジョンのメンバーたちが、ライブパートで3人のラップを初披露していきます。本編ではチームが結成される過程を描き、ライブパートで結束した3人のラップが見られるという構成になっています。
――と言うことは、これまでのように本編で披露した楽曲をライブパートで改めてパフォーマンスすると言うよりは、3人で見せる初めてのラップシーンがライブパートで見られるということなんでしょうか。
植木：そうです。ライブパートでそれぞれの楽曲が初披露となるので、ぜひ皆さんも一緒になって騒いでいただきたいですね。キャストたちも、みんなすごく気合いが入っています。
ナゴヤ・ディビジョンの3人が、稽古に来られない日があったのですが、他の全キャストがナゴヤのパートを覚えていて、袖からみんなで大声を飛ばして歌った日がありました。キャスト全員が全てのパートを覚えていて、とにかくすごい気合いの入りようなんです。そんなライブパートも見どころですね。
――ちなみにすでに演出をし終えた舞台本番期間、演出家さんはどのように過ごされているものですか？
植木：演出家さんでもいろいろなタイプがいるのでそれぞれ違うと思うのですが、僕は期間中毎日観て日々細かい部分を修正しています。例えば、公演を経るごとに役者さんの演技のスピードって微妙に変わってくるものなんです。初めは確かめながらしゃべっていたセリフが、公演後半になると少しテンポアップしたり。
そういった変化があった部分に映像を合わせ直したり、照明を動かしたりと日々調整しています。そういった点では、僕はわりとしつこい方かもしれないですね。あと僕は、『ヒプステ』を誰よりも観た人間になりたいと思っているので。稽古含め、僕が一番観た人間になりたいですね。
――4月4日からは大阪公演が始まります。会場の大きさや設備は場所によって変わりますが、箱が変わることで何か気をつけていることはありますか？
植木：僕は「この席だったから、ここが良かった」というような、各席ならではの見え方を作りたいと思っているんです。後ろの席だったらステージの全貌が見えて、前の席だったら臨場感が楽しめる。右側の席に座ったら、リリック映像と一緒になった演者の芝居がずっと楽しめるとか。席ごとに良さがあったらいいなと思っています。
大阪の劇場でもその劇場ならではの楽しみ方ができるように、それぞれの席ごとにも違った楽しみ方ができるように作っていければと考えています。
――4月7日の大阪千秋楽は「ABEMA PPV ONLINE LIVE」で生配信も決定しました。配信ならではのここを見てほしいというポイントはありますか？
植木：これはずっと言っていることなのですが、ラップバトルで精神にダメージを受けるシーンは、「稽古場から本気でやって、本当に戦ってくれ」と。攻撃する時の想いとか、攻撃された時の心に響いた痛みとか、そういうものを役者としてちゃんと表現する。これを気を抜いてやってしまったら、本当にダメだと思っているんです。配信では、ラップバトルでの表情や汗、そういったキャストたちの本気を見て欲しいです。
――最後に、大阪公演を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
植木：キャストみんなが本気でラップバトルをして熱い戦いを繰り広げる、劇場でも配信でもぜひ観ていただきたい作品になっています。また、“D.D.B”（ディビジョン･ダンス･バトル）にも新メンバーが入り、激しくやっているので、彼らによる世界レベルのパフォーマンスにも期待していただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
客席の位置ごとの見え方に至るまで、計算を重ねられている『ヒプステ』のステージ演出が、植木へのインタビューで明らかになった。細やかな演出意図を考えながら、熱くステージを楽しめる舞台に仕上がっていると言えそうだ。
取材・テキスト／ichico
(C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会
