アニメ「逆境無頼カイジ」に登場する利根川幸雄(CV:白竜)の印象的なシーンといえば、なんといっても“焼き土下座”だろう。灼熱の鉄板の上で土下座する第22話での姿に対して、「めちゃカッコよかった」「利根川推せすぎるだろ」と称賛を送る人が絶えない。
2007年10月~2008年4月に放送されたアニメ「逆境無頼カイジ」は、福本伸行氏によるギャンブル漫画の金字塔「カイジ」シリーズが原作。カイジこと伊藤開司(CV:萩原聖人)が、多額の借金を背負わされたことをきっかけに命がけの危険なギャンブルに挑む物語だ。藤原竜也を主演とした実写版も大ヒットし、近年は、「中間管理録トネガワ」などのスピンオフ作品も人気を博している。
帝愛グループの最高幹部のひとりである利根川が取り仕切った“鉄骨渡り”によって、仲間を失ったカイジ。彼は利根川と“Eカード”というゲームで戦うことになり、自分が勝った場合は死んだ仲間に土下座して謝罪するように求めていた。
第22話「執行」では、激闘の末にカイジが利根川に勝利。カイジが土下座を命じると、帝愛グループ会長の兵藤和尊(CV:津嘉山正種)が「いくら床に額をこすりつけようとも、腹ん中で舌を出されていては死んでいったなんとかいう連中も浮かばれはせんだろ」と言いだした。そして部下に熱した鉄板を用意させて、利根川に「10秒は頭を下げてもらう」と指示した。
固まる利根川に対して、兵藤は「やはり自分からはできぬかの」と言い、体を固定する“土下座強制機”を用意した。すると利根川は「ひとりでやれば問題なかろう!」と機械をどけさせて、自ら鉄板に乗り額をつけた。苦痛に絶叫しながらも、12秒間も土下座し続けた。
生き地獄を耐え抜いた利根川に、「最後の焼き土下座めちゃカッコよかった」「頑張ったなぁ」「焼き土下座"漢"すぎた」「利根川推せすぎるだろ」と心をつかまれるファンが続出していた。
同シーンの強烈なインパクトもあってか、利根川のファン人気は高い。近年はスピンオフ作品「中間管理録トネガワ」の主人公に抜てきされ、彼の日常を描いたそちらの作品も2018年にアニメ化を果たした。いまや利根川は、「カイジ」シリーズを語る上で欠かせない存在と呼んでも過言ではない。
(C)福本伸行/講談社・VAP・NTV