駅で女性のスカートの中身を盗撮したとされ逮捕。しかし、被告人は意外な性癖を持っており、それにより裁判で「無罪」を勝ち取るという稀有な例が紹介された。
ABEMAにて4月7日(日)に放送された『ななにー 地下ABEMA』#20では、「いつ巻き込まれるかわからない! 意外と知らない最新裁判SP」と題した企画が展開。もしも自分が当事者になってしまった時に対処できるノウハウ、さらにあなたもいつ選ばれるかわからない裁判員裁判制度の仕組みを専門家をゲストに迎え、学んでいった。
裁判ウォッチャーで芸人の阿曽山大噴火は「奇跡の逆転裁判」を紹介。事件が起こったのは、2007年頃で、まだスマホが普及されていない時代。被告人は、24歳のアルバイトの男性で、駅のエスカレーターで前にいた女性の下着を携帯電話で撮影したと疑われた。男性は被害女性に「今、撮影したでしょう!?」と詰められ、「すみません…やりました……」と認めたそうだ。
しかし、裁判所に場所を移すと話は急展開。被告人は「盗撮はやっていません」と主張し、弁護人は「被告人は女性に興味がないんです。被告人が性的興味を持つ対象はガンダムです」と話したという。事件当時、携帯電話を開いていたことは間違いないが、盗撮ではなくガンダムの画像に見惚れていたそうだ。携帯の中にも下着を映した画像は残っていなかったという。
そこで、被告人が住む家の最寄りのレンタルビデオ屋に行き、どんな作品をレンタルしていたかチェック。性的嗜好を捜査したという。するとレンタル作品は「全てアニメ。ほとんどガンダム」だったことがわかった。
しかし一審は「有罪」判決。阿曽山大噴火は「やっぱり逮捕時に認めた(ことが大きい)」と話していた。
これを受け、弁護士が「これはおかしい! 控訴しよう!」となり、その後、被告人の様子がおかしいことに気づき、病院に連れて行ったところ、医師から発達障害の1つである「アスペルガー症候群」の可能性を指摘されたそうだ。
その後、行われた控訴審の中で、弁護士は「被告人に対しロールシャッハテストを行いました」と告げたそうだ。ロールシャッハテストは性格診断の代表的な方法のひとつで、被験者にインクのしみを見せて「あなたには何に見えますか?」と聞き、回答の内容で性格や精神状態を炙り出すというもの。被告人に絵を何十枚も見せたところ「全てポケモン」で答えたという。
阿曽山大噴火は「(被告人は)とにかくアニメが好き。女性とか男性に性的興味がなく、そこが認められて、控訴審で無罪を勝ち取った」と説明しつつ、「やってないときは『やってない!』と言わないといけない」と教訓を話していた。
(ABEMA「ななにー 地下ABEMA」より)