同世代による“三人四脚”で着実な前進を目指す。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」のドラフト会議が4月27日に放送された。豊島将之九段(33)は、前大会までリーダーを務めていた糸谷哲郎八段(35)と大石直嗣七段(34)をそれぞれ単独指名で獲得。「予定した通り取れたので良かったです」と構想通りのチーム結成に満足げな表情を見せた。
どんな難敵も、3人なら戦える。そんなチームが出来上がった。豊島九段は「昔から仲の良い棋士で、奨励会時代から一緒にやってきたので」と、昨年までチームリーダーを務めていた糸谷八段を指名。初めての対戦は豊島九段が幼稚園年長、糸谷八段が小学生の時だという最強の“幼なじみ”をメンバーを迎え入れた。過去の大会での実績も十分。「フィッシャーも得意な印象があって、早見えなので」と絶大なる信頼を寄せている様子だ。
さらに、二巡目には大石七段を選出した。大石七段は、先に行われた「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で関西Bの出場登録棋士として活躍。これまでABEMAトーナメントの出場経験はなかったが、「フィッシャーを指しているところを見て、内容が良かったので指名しました」とそのポテンシャルを高く評価しているようだ。
これまでのチーム豊島は、若手棋士やベテラン世代とチームを組み戦ってきたが、「今回は同世代で行ってみよう」と構想を描いていた。競合も覚悟だったというが、狙い通りの新チームが完成。「楽しい雰囲気でやっていけたらと思います」と柔らかな笑顔に充実感が漂う。
目指す目標は、着実に「予選突破ですね。私のチームは予選を抜けるのに苦戦しているので(笑)」。苦笑いを見せたが、今期の戦いは気心知れた仲間と一緒だ。どんな難敵も怖くない。大会の注目チームとなることは必至だ。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)