WEST.が18日、今年初の野外フェスとなる『METROCK 2024』(東京)に出演し、会場を一体とさせる熱いステージを繰り広げた。
開演時間の15時30分を前に、もっとも収容人数が多いWINDMILL FIELDのステージ前には、多くのオーディエンスが集まっていた。目につくのは、思い思いのグッズに身をまとったオーディエンスだが、「こういう機会じゃないと見れないから見てみよう」とばかり、興味本位でこの場所を選んだ音楽ファンも多い。
いわば「アウェー」な側面もあるこのステージに駆け込んできた7人は、初っ端から臆することなくテンションMAXで「ええじゃないか」「Anything Goes」と、初見でもノリノリになれる曲を連発し、会場の空気を完全に“WEST.色”に染める。炎天下の中、全身全霊で歌った9曲は、40分をあっという間の体感にさせてくれた。まだライブの熱が醒めやらぬ中、7人のインタビューを届けることができた。
「Anything Goes」新バージョンを初披露
ーーライブお疲れ様でした。今年初のロックフェス、それも野外ということで、終わったいまの率直な感想を聞かせてください。
神山智洋(以下、神山)「本当に晴れて良かった!2年前(『METROCK2022』大阪)は、結構天気がどうなるかみたいな感じだったんで。その点、今回はピーカン晴れでしたね」
藤井流星(以下、藤井)「フェス日和だったね」
桐山照史(以下、桐山)「(手をヒラヒラと動かしながら)久々に人が作る“波”を見た」
小瀧望(以下、小瀧)「ね。僕らの普段のライブではペンライトだったりうちわが多いんですけど、手が一斉に動くのはフェスならでは。とにかくさ……この青空の下で歌うのが気持ちよくて」
桐山「気持ちよかった〜」
藤井「濱ちゃん(濵田崇裕)が『手がいっぱいや〜』って、一瞬アホなコメントかと思ったけど、おそらく全員がそう思ってた(笑)」
濵田「何より、WEST.のことを知らない人たちが楽しそうにしていたのが、すっごい嬉しかった」
重岡大毅(以下、重岡)「今日はメトロックにガソリンを注入してもらったような気分ですね。またここに帰ってきたいなってすでに思っているし、そのためにいろいろあれしたい、これしたいってアイデアが浮かんでいますよ」
ーー今回冒頭の3曲(「ええじゃないか」「Anything Goes」「ハート」)はABEMAで無料生中継されていましたね。
桐山「あれは僕らのことがよくわかる曲を並べたつもりです。『ええじゃないか』で、お祭り騒ぎで盛り上がってもらって、メッセージ性のある歌も入れて」
中間淳太(以下、中間)「2曲目にやった『Anything Goes』は、グループ名を改名した後、ちょっとアップデートしてるんですが、今回のライブが初披露だったんですよ。嬉しかったし、しかも配信で流せたのも良かったですね」
ライブが終わった後は皆で乾杯するのが至高
ーー 『METROCK 2024』に参加して、印象深かったことってなんですか?
桐山「始まる前に、楽屋でゆったりしてたら、出番終わりの新しい学校のリーダーズが帰ってきたんです。『どうやった?』って聞いたら、「楽しかったです!1個だけ注意がありますよ。裸足にはなったらダメですね!』って、俺らライブで裸足になることなんかないねん(笑)」
小瀧「シンプルにABEMAに出れたのが嬉しい」
重岡「めっちゃヘビーユーザーだもんね」
神山「(小瀧は)ずっと見てますよ」
ーーめちゃくちゃありがたいコメントです。まるで用意してくれていたかのような(笑)。
桐山「(小瀧の方を向きながら)ありがとうございます」
小瀧「え……ABEMA側の人?」
桐山「(なぜかニッコリと頷く)」
藤井「楽屋の隣がSaucy Dogで、僕は(石原)慎也と仲が良いので嬉しかったです」
小瀧「そういうのもフェスっぽいよな」
ーーフェス飯は堪能されました?
小瀧「僕はもう入ってすぐにラーメン食べました」
桐山「俺もラーメン食べた」
ーー店のサインボードに桐山さんのサインが書いてありました(笑)。
桐山「美味しかったらサインを書いてくださいってあって、もう漂ってくる匂いで美味しいって確信があったので、食べる前に書きました(笑)」
中間「僕は食べられるものは全部食べました。ラーメンも行ったしカレーも行ったしクレープも食べて……」
神山「めっちゃ食べてるやん」
中間「だから本番前に眠なってきたんですよね……とりあえず満足です」
桐山「あとはビール飲むか」
小瀧「ライブ終わったんで、みんなでこれからビールを飲みます」
重岡「最高やな。小さい子どもたちがたくさん来てくれていて最高」
小瀧「公園(会場の若洲公園)で開催してるっていうのがデカいな。癒やされることが多い」
「いつかフェスを主催したい」WEST.の新たな目標
ーーこれで野外フェスは2022年から3年連続出演になりました。皆さんにとってはどういう位置づけになっていますか?
小瀧「“ご褒美”みたいな感じやな」
重岡「そうやね」
小瀧「年に何回もやるものではないし、ただただ楽しいんですよね」
重岡「本当にいろんなフェスに出られるようになったよね。やっぱりフェスを作るスタッフさんもそうですし、来場するお客さんの力があってこそだと思います。その感謝の気持ちを自分たちの音楽につぎ込んで、また絶対フェスに来たいっすね」
濱田「(突然大声で)コレカラモイッパイデタイ!」
桐山「(ビクッと驚いて二度見する)」
小瀧「びっくりした」
重岡「なんでAIみたいな喋り方すんねん」
ーー(笑)。ここ一年を振り返ると、昨年10月に「WEST.」に改名発表、4月23日でメジャーデビュー10周年と、WEST.にとってメモリアルなことが多かったですよね。今後やってみたいことってありますか?
小瀧「いつかフェスを主催したいっすよね」
桐山「ああ〜いいね」
小瀧「お世話になった方……サンボ(マスター)さんとか、SUPER BEAVERさんとか、曲でのつながりが増えてきたので、いつかそんなことができれば最高やなって思います」
ーーイメージは野外ですか?
桐山「絶対野外でしょ!」
小瀧「今日みたいな青空の下でやれたら……」
桐山「やります!」
小瀧「あっ、言っちゃった(笑)。やれるように頑張ります!」
<5/18 WEST. セットリスト>
1. ええじゃないか
2. Anything Goes
3. ハート
4. しらんけど
5. 春じゃなくても
6. 超きっと大丈夫
7. ムーンライト
8. アンジョーヤリーナ
9. 証拠
取材・文:東田俊介
(c)METROCK 2024 / Photo by 岸田哲平