※性被害のフラッシュバックのおそれがある方は閲覧せずにお戻りください。
子どもに関わる仕事に就く人に対して性犯罪歴の有無を確認する制度「日本版DBS」を創設する法律が19日、参議院本会議で成立した。
【映像】小学6年生で性被害に…当時のりういちさん(写真あり)
「日本版DBS」法は、19日午前の参議院本会議で全会一致で可決、成立した。この法律では、保育所や教育現場で犯罪歴の確認が義務付けられ、禁錮刑以上の場合は刑を終えたあと「20年」を照会期間とする。また、刑法犯罪にとどまらず、痴漢や盗撮など自治体の条例違反も対象とするほか、過去に性犯罪歴がなくても「性加害の恐れがある人」に対しては、配置換えなどを義務付ける。
※本稿は2023年9月と2024年1月に番組が取材し、公開された一部記事を再編集したものです。
■ 小学6年生で性被害 狙われるのは「支配欲を満たしやすそうな人」
過去『ABEMA Prime』に出演した、りういちさん(49)は、小学6年生のときに性被害に遭った。幼馴染の男子中学生の家で、いきなり後ろからズボンを下げられ、男性器をくわえられたという。両脇を抱えられ、「あまりに突然のことだったので動けなかった」と明かす。何が起きているのか理解できないまま行為は続き、さらには相手の男性器を口に押し込まれたという。以来、男子トイレがトラウマになり、今でも多目的トイレを使用している。
2002年、うつ病と診断されたりういちさん。男性が怖くなり、特にがっちりとした体形の人は避けるようになった。また、身体が快感を感じてしまったことで「自分は同性愛者かも」と葛藤したこともあった。さらに、女性を異様なほど意識するようになり「例えば女性の姿やシルエットだけではなく、生理用品や下着売り場を見るだけでも興奮が起きてしまう状態。本当に女性の皆さんには申し訳ない」と話す。
「男女を問わず誰でも性被害者になる可能性があるし、性加害者になる可能性もある。私が性被害を受けたのは30年以上も前で、過去を変えることはできない。だけど、未来を変えることはできる。私はこれからも男性が性被害を受けるという危険性を訴えていきたい」
2021年に法務局が発表した「子どもの性被害への対応に関する実態調査」の資料によると、加害者は「実父」「義父・継父」「第三者」「同級生」「家族の交際相手」の順で多く、被害期間は75%が「2年以上継続」されていた。最終処分は半数が起訴されず「無罪放免」となっている。
精神保健福祉士の斉藤章佳氏によると、加害者が満たしたいのは「支配欲」「優越感」「達成感」などであり、「性欲」の問題だけではないという。
「かわいいから、かっこいいから被害に遭うということでもなく、支配欲を満たしやすそうな人などを狙う」
■ 「性的嗜好と加害行為は完全に線を引いて」小児性愛者への“自制”アプローチは
子どもに性的な魅力を感じる人、いわゆる小児性愛者は、推定で人口の約5%(カナダ・スウェーデンの医学研究機関より)いるとされている。性障害専門医療センター代表理事で精神科医の福井裕輝氏は、小児性愛について「純粋型(子どもにのみ関心)」と「非純粋型(成人にも魅力を感じる場合)」があると説明する。純粋型は「非常に遺伝性が強い。親がそうだからということではなく、先天的に決まっている」という。
福井氏によると治療法は2つあり、「1つは、認知行動療法。犯罪に至るまでには、児童ポルノを見る、子どものいる仕事に就くといったことがあるので、それらに歯止めをかけていく。2つ目は薬物療法で、性的欲求を抑えるホルモン療法によって行動を止めていく」と話す。その上で「性的嗜好と、加害行為という具体的な行動には、完全に線を引く必要がある。しかし、日本の風潮は内面自体も攻撃するような空気がある」と指摘した。(「ABEMA Prime」より)
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