「すごいわー!ひえー」と仲間も絶句 三枚堂達也七段、驚異的な粘りで周囲仰天 先輩は「三枚堂被害者の会」と命名/将棋・ABEMAトーナメント2024
【映像】三枚堂達也七段、驚異の大逆転シーン

 攻めても攻めても攻め切れず、最後には逆転負け…。相手にしてみれば脅威そのものだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Bリーグ第2試合、チーム永瀬 対 チーム斎藤の模様が6月15日に放送された。チーム斎藤の三枚堂達也七段(30)はこの試合、個人3連勝と大活躍。チームの本戦出場に大きく貢献したが、今回は優勢を保っての快勝ではなく、劣勢を挽回しての逆転勝利が目立つことに。チームメイトも「すごいわー!ひえー」と絶句する、驚異的な粘りを見せた。

【映像】三枚堂達也七段、驚異の大逆転シーン

 全員が1993年生まれの同学年というチーム斎藤。斎藤慎太郎八段(31)、高見泰地七段(30)、三枚堂七段といずれも居飛車党で、そう簡単には勝負を諦めない粘り強さを備えている。超早指しのフィッシャールールにおいては、優勢の側が攻め切ることができず、耐えに耐えた側が最終盤に大逆転というシーンも珍しくない。むしろ短時間でしっかりと寄せ切ることの難しさが際立つ一局も多いくらいだ。

 第1局でも増田康宏八段(26)を相手に逆転勝利を決めていた三枚堂七段だが、自身2局目となった第4局で、またしても粘り強さが逆転勝利につながった。永世名人でもあるレジェンド森内俊之九段(53)の先手番で始まった一局は、相居飛車でじっくりとした序盤から始まったが、森内九段がじわりじわりとリード。中盤を過ぎたあたりでは、ABEMAの「SHOGI AI」でも森内九段の勝率が80%を超えた局面もあり、解説していた同世代の勝又清和七段(55)も「53歳とは思えない。どう見ても若手ですね」と勢いのある指し手を絶賛していた。

 ところがここから三枚堂ワールドが全開になる。相手に決定打を許さない辛抱の手を続けると、少年時代から三枚堂七段をよく知る勝又七段は「こういう手で何度やられたか。三枚堂被害者同盟と高見被害者同盟は多いんですよ。2人とも、こういう手が得意なんです。これはわかんなくなっちゃったな。どうしてこういう粘りが咄嗟に出るかなあ」とコメント。形勢もふと気がつけば両者の間で二転三転すると、最後にはついに三枚堂七段が大きく抜け出し、212手の大熱戦を制した。

 超早指しでも衰えぬ力を見せる森内九段を相手にしての逆転勝利に、控室で見ていた高見七段は思わず「すごい…すごいわー。ひえー」と絶句。ファンからも「すごいの見た」「すげーな」「もう訳わからんかったw」と驚きの声が止まる様子もなかった。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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