俳優の東出昌大が、ペルーの首都・リマで、富裕層と貧困層を隔てる「恥の壁」を訪れ、その様子がネット上で「絵に描いたような分かりやすい格差」「これ日本の小中学校で子供たちにみせるべき」などと話題になっている。
6月16日に配信された『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』にて、東出が訪れた「恥の壁」。高級住宅街のカスアリーナ地区と、世界最大級のスラム・パンプローナアルタ地区を隔てる壁で、貧富の格差の象徴となっている。
高級住宅街のカスアリーナ地区には1軒7億円以上の家もあり、そこで東出はプール付きの家も目撃。しかし、「恥の壁」まで登りそこから見た貧困エリアのパンプローナアルタ地区に広がっていたのは、トタン屋根の質素な家が立ち並ぶ街並み。東出は「こっちはゴミのにおいがしますね」と表情を曇らせた。それもそのはず、パンプローナアルタ地区には電気や上下水道などインフラも充分に整備されておらず、各家庭には貯水用と思われるタンクが並んでいた。
東出は呆然と街を眺め、「全然違うわ」「世界が違う」とポツリ。「こっちは水もろくになくてタンクがある中で、向こうは庭のプールに水をたたえて、娯楽のために泳ぐわけだから。格差ってね…」と語り、考え込んでしまっていた。
東出が道中に出会った富裕層サイドの男性たちによると、「恥の壁」が作られたそもそものきっかけは、80〜90年代にペルーの地方でテロが頻繁に起こり、リマに逃げてきた地方の人々が山の斜面を不法占拠し、質素な家を建てたことにさかのぼる。彼らの侵入を防ぐために、土地を買い取った所有者が自腹で壁を建設したのだそうだ。なお、別の場所にあるもう1つ壁は、政府が建設したものだという。
ペルーでは、人口の20%が国の所得の半分を手にし、70%は毎日14ドル以下の収入で暮らしている。後者に属するパンプローナアルタ地区の住民は、テロや犯罪で住処を失ったり、現金収入を求めてアンデスから出稼ぎに来たりした人々だ。彼らは日々生きるため、土地を不法占拠し、世界最大級のスラムを形成している。そんな同国の現実を目の当たりにした東出は「わかった気でしかないから。でもやっぱり、この気持ちを持って帰らないとですね」と真剣な表情で語っていた。
この光景は視聴者にも衝撃を与えたようで、「絵で描いたような分かりやすい格差」「これ日本の小中学校で子供たちにみせるべきだよ」「そしてその恥の壁のてっぺんに十字架があるっていうね…。」「現地の生の声が聞けて、ニュースでは知り得ない情報を知れて有難うございます」「こんな番組、映像を見れるなんて。テレビは日本国内だったり海外メディアから買った映像とか、アフリカで動物に追いかけられるしょうもない映像しか撮らないから、こんなリアルな映像を見れるメディアは他にないわ」などの声が殺到。
また富裕層、貧困層、どちら側の人の言い分も受け止め、「善と悪っていう二元論だけじゃ語れない」「日本だって同じ資本主義社会で、差別なのか区別なのかわからない問題がいつか頻発するんじゃないかと思うと、全然他人事とは思えない」と自分事化する東出の姿に、「東出さんのコメントが世の中の心理をついてる気がして、心に深くささり涙が止まりませんでした」「この番組で東出さんの生き方や考え方が好きになりました」「東出さんの言葉選びが本当に好き」「東出は外見はもとい、考え方も絵になる」など、共感の声も上がっていた。
なお、このとき、『ABEMA Prime』にリモート出演するため、東出とは別行動していたひろゆきだが、感じるものがあったのか「ペルー・リマの世界最大級のスラムと富裕層の町を隔てる10kmの壁。進撃の巨人は創作ですが、ベルリンのような国境ではなく民主的な手続きで作れた壁。」と紹介コメントを添え、このシーンを切り取ったYouTubeを紹介していた。
(※コメントは原文ママ)