【写真・画像】放送中アニメの舞台も!人気アニメ・漫画で西武線沿線が愛されるワケとは? 1枚目
【映像】西武池袋線沿線の風景が多く登場する「忘却バッテリー」

 黄色い車両が印象的な西武鉄道は、新宿線や池袋線をはじめ首都圏における通勤通学の交通手段として多くの人に利用されている。特に池袋駅は1日平均の乗降人員が約39万人(2022年度)となっており、所沢や入間といった埼玉方面、大泉学園や練馬をはじめとした西東京エリアから都市部へアクセスする重要な拠点といえるだろう。

【映像】西武池袋線沿線の風景が多く登場する「忘却バッテリー」

 そんな西武線沿線は、現在放送されているTVアニメの舞台(聖地)にもなっている。全国の強豪校から一目置かれるも野球無銘校である東京都立小手指高校に進学した剛腕投手・清峰葉流火が、かつてバッテリーを組むも記憶喪失となった要圭と偶然出会い再びバッテリーを組むという「忘却バッテリー」では、西武池袋線のスポットをロケ地としていると思われる舞台が数多く登場する。

 小手指高校という高校は実際には存在しないものの、小手指駅は西武線に直通で乗り入れている東急東横線・東京メトロ副都心線の終着駅としてもおなじみだ。

 また同じく現在放送されている「終末トレインどこへいく?」は、沿線だけでなく車両そのものが物語の軸として登場する。主人公の千倉静留が行方不明となった親友の中富葉香を探すべく、吾野駅から池袋駅を目指して終末世界を旅するロードムービーが展開されていくが、劇中で静留ら4人組と1匹が乗り込むのはアポジー号と呼ばれる2000系の黄色い車両だ。

 現在放送中のTVアニメ以外にも、2011年に放送され劇場版も制作された人気作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の聖地として有名になった秩父、2013年の第1期から2022年の第4期までTVアニメが制作されている「ヤマノススメ」の聖地・飯能も西武池袋線沿線となる。いずれもアニメツーリズム協会による“訪れてみたい日本のアニメ聖地88”に選定されており、多くのアニメファンが聖地巡礼をしている人気のスポットだ。

 このように人気作のアニメ・漫画の舞台として西武線沿線が取り上げられる要因の1つとして、主要なアニメスタジオが西武線沿線および中央線沿線に数多く存在することが挙げられる。「終末トレインどこへいく?」の制作スタジオであるEMTスクエアードは、西武池袋線の上井草駅と中央線の西荻窪の間に位置する。上井草は近年まで「機動戦士ガンダム」をはじめとした数多くの人気作を手がけたサンライズのスタジオが存在しており、駅前にはガンダムのモニュメントも設置されているのも有名だ。

 「機動戦士ガンダム」の総監督である富野由悠季が在籍していたことでも知られる、漫画の神様こと手塚治虫が1961年に設立した虫プロダクションは、西武池袋線の富士見台駅周辺に存在していた。また、高畑勲や宮崎駿も在籍していた日本のアニメスタジオの祖ともいえる東映アニメーション(旧東映動画)も西武池袋線の大泉学園駅周辺に拠点を構えており、現在は中央線沿線の中野駅周辺に移転しているが、跡地は東映アニメーションミュージアムとして作品の資料展示やショップが併設されている。

 さらに、若き頃の手塚治虫をはじめ、赤塚不二夫や藤子不二雄といった漫画家たちが居城にしていたトキワ荘も西武池袋線の椎名町に存在。これらの歴史的背景もあって、職場となるアニメスタジオが西武線沿線および中央線沿線に多くあるため、アニメ制作に従事するスタッフも沿線に住むことが多くなる。その結果、慣れ親しんだ沿線の風景がロケ地として作品の舞台に活かされるケースも多くなるのだろう。

 西武線沿線に住んでいる人や縁がある人は、見慣れた風景がアニメや漫画作品に登場するかもしれないという想いを抱きながら、黄色い車両に乗って何気ない日常を暮らしていくのも乙なもの。これからも西武線沿線という日常の切り口で親しみやすい作品が生まれることを楽しみにしたい。

(C)みかわ絵子/集英社・KADOKAWA・MAPPA

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