![“AIあんの”で政策更新 安野貴博氏…夫婦で挑んだ選挙革命 妻の激ウマ演説の裏側](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/4/c/724w/img_4c23e8aa429c31c109512d829e48487681872.jpg)
AIエンジニアの安野貴博氏(33)は、政治の世界でほぼ無名だったにもかかわらず、東京都知事選で主要候補者といわれた4人に次ぐ5位となった。15万票獲得の背景には、AIなどのデジタルを駆使した、今までにない選挙活動があった。
■支持を広げた最大の理由とは?
![安野貴博氏(33)](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/b/6/724w/img_b6955b7ada557781dcd69e60564b6bc1173020.jpg)
安野氏
「テクノロジーで、誰も取り残されない東京を作ること。デジタル民主主義で、あしたの希望の持てる東京を作っていきたいと思っています」
AIエンジニアで起業家、作家という顔を持つ安野氏。選挙戦スタート時には、ほとんど無名だった彼が、最終的には15万4638票を獲得し、5位となった。
![なぜ、都知事選に?](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/3/4/724w/img_34f5c30b9448a4eefa711810538e94d4212175.jpg)
安野氏
「(Q.選挙になんで出ようと思ったんですか?)一番最初のきっかけは4月の中旬ごろ、散歩をしていたんですよね(妻と)2人で。僕が選挙の仕組みとか政治の仕組みについて、ああだこうだ言っていたら、(妻が)そこまで言うなら“自分で出ろ”と」
妻・里奈さん
「選挙期間を一緒に戦って、むしろ2人で戦ったというよりもチームで戦ったことで、初めて夫にリーダーシップを感じた」
「(Q.初めて?)初めてですね」
妻・里奈さんの一言から始まった都知事選の出馬。無名候補から支持を広げた最大の理由とは?
安野氏
「他の候補者と比較して、唯一違うことをしていたのは“双方向の選挙”にしていこうということを言っていた。マニフェストをどんどんアップデートしていこうというのをやっていて。その姿勢が評価されたのかなと」
■最新のAI技術を使い…質問に答えられるように
![AIあんの](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/7/d/724w/img_7d8b4f563dff3ac9830bbb75a1e13f4b275498.jpg)
安野氏が目指した“双方向の選挙”。その象徴が“AIあんの”だ。
AIあんの
「AIあんのです。皆様からの政策に関するご質問にお答えします」
![“AIあんの”は、いつやろうと思った?](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/e/f/724w/img_ef81b8acfad8ec86e5a35339eef2ddc1257182.jpg)
安野氏
「(Q.“AIあんの”は、いつやろうと思った?)妻に選挙出たらと言われて、夜眠ろうとした瞬間に“AIあんの”の図がフワッと思い浮かんで」
AIあんのは、安野氏の政策である「新産業で所得倍増」「世界一の子育て・教育環境」「行政をもっと簡単・透明」などを学習し、選挙期間中、24時間いつでも有権者からの質問に答えてくれるシステム。
![「教育費の支援について所得制限は設けるか」と質問すると…](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/724w/img_46cb89c22f3bc6cac44e80530f6cfe92236101.jpg)
実際に、「教育費の支援について所得制限は設けるか」と質問してみた。
AIあんの
「教育費については、塾代や受験料の支援制度を整備する予定です。元々は所得制限を設ける予定でしたが、マニフェスト公開後にみなさんとの議論を通じアップデートし、所得制限を撤廃しました」
AIあんのには、およそ8600件もの質問が寄せられ、実際に有権者の意見を反映し、当初のマニフェストを変更していったという。
AIを使った選挙といえば…。
![AIゆりこ](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/724w/img_be69210b0ba7481580ccba9fcbac6b99217293.jpg)
AIゆりこ
「AIゆりこがお届けします。私、小池百合子、知事就任後の東京都では、子育て教育施策の所得制限撤廃が進んでいます」
AIゆりこは一方的に話すだけだが、安野氏は人の言葉を理解できるようになった最新のAI技術を使い、質問に答えられるようにしたのだ。
■妻・里奈さんのプロ顔負け演説は…選挙前日に急きょ決定
大きな注目を集めたもう一つの要因が、妻・里奈さんのプロ顔負けの演説だ。
![妻・里奈さんのプロ顔負けの演説](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/c/7/724w/img_c73b0fa6ea924dda325b8dea4fc28bb5213498.jpg)
妻・里奈さん
「私、安野貴博の妻でございます。今、東京に危機が訪れています。国の政局が東京都に持ち込まれようとしています。しかし、安野貴博は違います。政局より政策を、そして、その先の未来を。未来の東京をみなさんと一緒に作りたい。その思いで、その一心で立ち上がりました」
しっかりと聴衆を見つめ、身振り手振りを交えながら訴えかける姿が話題に。
![選挙前日に急きょ決まった演説](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/4/f/724w/img_4ff767a1f5d8108878b0b6ab366a276c198836.jpg)
安野氏
「(演説は)自分一人がじゃべるんじゃなくて、前説をするということを、2日前くらいに聞いたんですよね。2日後にしゃべってくれそうな人は誰というのを考えたら、まず真っ先に(候補に)上がるのが妻で。『頼むわ』と、2日前に突然お願いした」
妻・里奈さん
「いや、前日だったと思います」
選挙前日に急きょ決まった演説。里奈さんは、出版社で小説の編集を手掛ける編集者で、これまで演説の経験もなかったという。
![妻・里奈さん](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/724w/img_62d71d9a7556d2e88884447fa8470ff2181522.jpg)
妻・里奈さん
「素人のカラオケが素人くさく、まあまあうまかったから、結構拡散していただけたと思っている」
安野氏
「びっくりしましたね。むちゃくちゃハードルを上げてきたと思って、ドキドキしました。この後に(自分が演説を)やるのか」
■新たな手法で…すべての掲示板にポスター貼り話題に
安野氏
「今、ポスターを貼っています」
![選挙ポスターの掲示板](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/a/1/724w/img_a12b16d40cf45ec21b9e69ccb2faf83d485112.jpg)
東京都内およそ1万4000カ所ある選挙ポスターの掲示板。この掲示板すべてにポスターを掲示できたのは、小池都知事など組織力の大きな候補者のみ。そんな中、安野氏は新たな手法で、すべての掲示板にポスターを掲示し話題となった。
安野氏
「業者も1000万円くらい払うと貼ってくれるサービスがあるんですけど、我々そんなお金もないので」
お金も組織力もない中、安野陣営がとった方法が…。
![安野陣営がとった方法](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/0/9/724w/img_09d1232aae3eaa25f343bc0dedaf3232321921.jpg)
妻・里奈さん
「まずはGoogleマップに、それ(掲示板の場所)をプロット(描き入れ)して、みなさんに(ポスターを)貼っていただこうと」
ポスターの掲示板がある場所をマップ化。ポスターが貼られていない場所は青いピンで表示し、貼り終わると黄色に更新されるという仕組み。
妻・里奈さん
「最初は手動でGoogleマップを、色を変えてピンを変えていたんですね。ただ、それだととてもとても間に合わなくて。これは、もう自動化していこうって。自動化しているうちに、ある意味ゲーム感覚で(ボランティアの方が)やっていただけるものになるなって。マップを公開して、リアルタイムで進捗(しんちょく)が見られるように、技術チームがアップデートしてくれた」
![リアルタイムで見える化も実施](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/c/0/724w/img_c0d443eb9467d9382a959957b15d2c0d344892.jpg)
選挙期間中、マップをアップグレードしていき、あと何カ所貼れていない場所があるなど、リアルタイムで見える化も実施。このシステムを4日ほどで完成させた。
すると、ゲーム感覚が増し、参加するボランティアが増えていったという。
妻・里奈さん
「今、どちらにいますか?」
ボランティア
「今、新島です」
妻・里奈さん
「みなさんが見守っているので、ぜひ最後の一枚を貼っていただければと思います。1万4000カ所、最後の1枚です。3、2、1」
ポスターの印刷代以外、ほとんどお金はかかっていない。
![安野氏「今までできなかったことができるようになる」](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/724w/img_87cc7d66847d99da9cc3f95006fb689b215360.jpg)
安野氏
「選挙の中で訴えていたデジタルテクノロジーをうまく使うことで、みなさんからの力を集めて、今までできなかったことができるようになる。まさにその一つの実例として、ポスターの例があった。これは、本当にやりたかったことが、ある意味実現できたということですごくうれしかったです」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月24日放送分より)