うな重1600円 「鰻の成瀬」安さの秘密とは? 全国に出店ラッシュ220店超【詳細版】
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 ウナギのシーズンです。うな重を1600円で出す「鰻の成瀬」が全国に相次いで出店しています。なぜ低価格で提供できるのでしょうか?

【画像】素人でもウナギ焼ける秘密マシン フランチャイズでピアニストのオーナーも

■“急成長の立役者”の代表「飲食は素人」

大ぶりのウナギのかば焼き
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 ふたを開けると入っているのが、大ぶりのウナギのかば焼き。少し甘めの秘伝のタレがかかっています。


「とてもおいしいですね」


「ふわっとして軟らかい。大きさも結構大きい」

「うな重 梅」は税込み1600円
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 ウナギの価格が高騰し、専門店でうな重を食べれば5000円を超えることもあるなか、「うな重 梅」は税込み1600円。お吸い物と箸休めの漬物も付いて、この価格です。


「インターネットで調べてきたんですけど、値段を考えたら、クオリティーがすごいと思う」

「鰻の成瀬」229店舗
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 1600円のうな重を売り出しているのは「鰻の成瀬」です。おととし9月、横浜に第1号店をオープンした後、拡大を続け、わずか2年で39都道府県と香港に1店舗、合わせて229店舗になりました。(25日時点)

 “急成長の立役者”に話を聞きました。

うな重1600円 「鰻の成瀬」安さの秘密とは? 全国に出店ラッシュ220店超【詳細版】
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鰻の成瀬 山本昌弘代表
「正直、飲食は素人で『鰻の成瀬』が初めての飲食業になります」
「(Q.もうウナギを触れたりもない?)ないです。ウナギもないですし、焼く機械にも触れたことはない」

現在はフランチャイズ展開
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 山本さんは現在41歳で、39歳の時に一念発起して「鰻の成瀬」を開店。現在はフランチャイズ展開を進め、業績を拡大しています。

■「二等地・三等地」出店でコストダウン

“ポツンとウナギ店”
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 急成長を遂げる理由の一つは、「一等地に出店しない」ことです。

 今年4月にオープンした福島県いわき市の店の正面は、一面の田んぼ。まさに“ポツンとウナギ店”です。

山本代表
「どうしても一等地に出さないとというと、初期費用が上がったりもしますし。もちろん、それ以上に(土地の)競争が激しいので。なかなか出店が進まないというケースが多いと思うんですけれども。ウナギというと目的食なので、二等立地・三等立地でも勝負できるのではないかなと」

「鰻の成瀬」の出店戦略
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 飲食業界では、駅前や人通りが多い「一等立地」に出店することが繁盛店をつくる常識とされています。

 一方、「鰻の成瀬」では、「二等立地」と呼ばれる人通りがさほど多くない繁華街の裏通りや、「三等立地」と呼ばれる繁華街から離れた住宅街の一角など、人通りが少ない場所に多く出店しています。

山本代表
「二等立地・三等立地であれば競争なく、どうぞって話になりやすい。高速出店が続けられる理由というのは、そこにあるかなと思う」

■保育園理事&ピアニストもオーナーに

鰻の成瀬 下総中山店
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 急成長を遂げるもう一つの理由は、「各駅停車駅の裏通りに出店」することです。

 各駅停車のみが止まるJR総武線・下総中山駅を出て歩くこと1分。駅からは近いのですが、細い路地に店を構えています。

昼時はほぼ満席に
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 駅の近くなので人も通り、昼時になると、吸い寄せられるように客が集まります。20席の店内は、ほぼ満席になっていました。

 そして、1600円でうな重を提供できる一番の理由は「素人でも焼ける機械」です。

「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」
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 ウナギ職人は「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」と言われるほど、伝統と経験が重視される世界。しかし、「鰻の成瀬」では…。

下総中山店のオーナー・久居麻紀子さん
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 下総中山店のオーナー・久居麻紀子さんは、保育園の理事やピアニストをやりながら、「鰻の成瀬」を経営しています。

スタッフ2人で店を回す
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 営業中の店舗を見てみると、ひっきりなしに注文が入ります。平日のピークタイムでも、スタッフ2人で店を回しています。

■約3分で…素人でも焼ける秘密マシン

オリジナルの焼く機械
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 その秘密は「鰻の成瀬」オリジナルの焼く機械です。アルバイト1日目のスタッフでもスイッチを押すだけで、ものの3分ほどでウナギを焼くことができます。

久居さん
「簡単です。職人技ではなくて、(機械の)技術だと思います」

「ニホンウナギ」を使用
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 ウナギは中国などで養殖された「ニホンウナギ」を使用。現地でさばき、一度焼いた後、冷凍されます。この状態で店舗に運ばれ、解凍した後、機械でもう一度焼き上げれば、すぐにお客さんに出すことができます。

平均提供時間は5分ほど
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 どの店舗でも、平均提供時間は5分ほど。ウナギを安く、早く食べられることにこだわって、店舗展開をしています。

 外は炭火で焼いたかのような、カリッと食感。中は蒸したような、ふんわり食感で、客の心をつかむ「鰻の成瀬」。今後の目標は?

山本代表
「国内に関しては、早く47都道府県を制覇したい。ウナギのかば焼きの甘辛い味は、海外の方からの評判がいいので。海外の方にも積極的に出店していきたい」

(「グッド!モーニング」2024年7月26日放送分より)

外部リンク
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