特に開会式においては「セーヌ川での船上パレード」「謎の覆面ランナー」「セリーヌ・ディオン復活の歌声」など話題に事欠かず、同時に気になる点や疑問も生まれた。
そんな疑問の数々をANNパリ支局の神志那諒支局長にぶつけた。
━━なぜ、聖火台として気球が使われたのか?
「フランス人のモンゴルフィエ兄弟が18世紀に世界初の有人飛行をチュイルリー公園で行ったという歴史があるからだと言われている」
━━ジップラインでセーヌ川を渡ったり、パリの街中に現れては“やりたい放題”だった“謎の覆面聖火ランナー”の正体は?
「まず、モチーフについては『オペラ座の怪人』という説と、フランスのゲーム会社が作った『アサシンクリード』というゲームのキャラクターではないか、という2つの説が有力だ。 そして“中の人”、『覆面の聖火ランナーを演じていたのは誰なのか』については論争がある。街中を軽快な身のこなしで駆け抜けるフランス発祥の『パルクール』の元世界チャンピオンが『開会式は楽しんでもらえましたか?』『1年後に真実を話します』などと思わせぶりな発信をしていることなどから、複数のパルクール選手やダンサーが場面ごとに演じていたのでは、という見方がある。さらに世界的俳優のトム・クルーズが今年に入ってパリで『ミッション:インポッシブル』の最新作のロケを行なっている。映画のPRも兼ねて『覆面聖火ランナーの1人』など何らかの形で関わっているという説も出ている。実際にトム・クルーズはパリ入りしていて、競技会場でも目撃されている。次のオリンピックはロサンゼルスで開催されるため、そこに繋げる意味でも閉会式で登場して“種明かし”がされるのではと期待する人もいる」
━━セーヌ川に現れた銀の甲冑姿の女性騎士の正体は?
「実は、あの馬は走っているわけではなく下は船であり、その船の製造会社の女性役員が騎士を演じていたとも言われている。モチーフについては諸説あるが、フランスがイングランド軍に攻められた際にフランス各地を奪還した歴史的なヒロイン、ジャンヌ・ダルクだという説がある。ジャンヌ・ダルクは結果的にパリを奪還できずに、処刑され、遺灰をセーヌ川に流されたと言われている。そのため、遺灰を流されたセーヌ川を渡って式典会場にやって来たというストーリーを思い描く地元の方は多い。モチーフについてのもう一つの有力な説は『セクアナ』という川の女神だ」
━━セーヌ川の汚れを指摘する声もあったが、実際のところはどうか?
「開会式の日、そしてその翌日も雨が降り、深緑色になっている。離れて見ると綺麗なのだが、近づくと観光客などが投げ捨てたゴミも目につく。セーヌ川での競技も予定されているが、ここに関わるのが大腸菌の数だ。パリの町では大雨が降ると下水の一部が直接セーヌ川に流れ込んでしまう問題があり、これまでは101 年間遊泳禁止だった。その後オリンピックに向けて約14億ユーロかけて浄水施設や巨大貯水槽の整備などを進めてきたが、実際に競技ができるかは不透明だ」
(ABEMA/倍速ニュース)